淋菌、髄膜炎菌、モラクセラ、ベイヨネラ

淋菌(りんきん)
淋菌は、グラム陰性の双球菌であり、芽胞と鞭毛(べん毛)をもっていない。高温と低温の両方に弱く、消毒液、日光、乾燥に対する抵抗力も低い。

 

 淋菌の病原性と疾患
淋菌の感染は、主に性交によって起こる。淋菌に感染した場合、膀胱炎や前立腺炎などの泌尿器の炎症の他、精巣炎や子宮内膜炎などの生殖器の炎症が引き起こされる。

 

新生児が産道を通るときに、淋菌に感染した場合、その新生児に淋菌性眼結膜炎(膿漏眼)が引き起こされる。

 

 淋菌に対する治療
抗生物質の投与が、淋菌に対する治療法としてあげられる。そして、専門医の治療を受けることが望ましい。

 

 

髄膜炎菌
髄膜炎菌は、グラム陰性の双球菌であり、莢膜(きょう膜)をもつ。高温に対する抵抗性が低い。

 

 髄膜炎菌の病原性
髄膜炎菌は、鼻咽腔粘膜から侵入する。髄膜炎菌に感染すると、髄膜炎が引き起こされる。また、髄膜炎菌は、免疫グロブリンAという抗体を分解するIgAプロテアーゼの分泌を行う。

 

 髄膜炎菌に対する治療
薬剤の投与が、髄膜炎菌に対する治療法としてあげられる。

 

 髄膜炎菌の診断方法
髄液や鼻咽頭粘液を使用する検査によって、髄膜炎菌に感染しているかの診断が可能である。

 

 

モラクセラ
モラクセラに属する細菌には、モラクセラモラクセラ]と、モラクセラブランハメラ]が存在する。モラクセラに属する細菌のうち、人への病原性をもつ細菌として、以下の2種類を示す。

 

 モラクセラ[ブランハメラ]ラクナータ
この細菌は、結膜炎の原因となる。また、モラー・アクセンフェルド菌と呼ばれていたこともある。

 

 モラクセラ[ブランハメラ]カタラーリス
この細菌は、気管と鼻腔の常在細菌となっている。また、この細菌が原因となる疾患には、気管支炎や肺炎などの炎症があげられる。

 

 

ベイヨネラ
偏性嫌気性のグラム陰性双球菌である。口腔や腸の常在細菌でもある。臓器に膿瘍が生じたとき、その膿瘍から他の菌と一緒に、ベイヨネラが確認される場合がある。