メタボリックシンドロームの改善には糖質制限が有効

メタボリックシンドロームの予防や治療法として、食事で摂るカロリーを減らしたり、脂肪を減らしたりする食事方法を取られることがあります。

 

しかし、実際にメタボリックシンドロームの予防や治療に効果的なのは、カロリーや脂肪を摂る量を減らすことではなく、糖質の量を減らすことになります。

 

メタボリックシンドロームの元凶は糖質の摂取過多

食事などで体内に取り入れた糖質は、体のエネルギー源となります。その一方で、糖質のうち余ったものは、中性脂肪に変換され、内臓脂肪に溜め込まれます。

 

また、糖質を多く含む食生活では、膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンというホルモンが多く分泌されやすくなります。

 

インスリンには、血糖値を下げるだけでなく、余分な糖質を脂肪として溜め込む働きがあります。そのため、糖質中心の食生活では、脂肪を溜め込みやすい体になってしまうのです。

 

また、食事で摂った糖質は、優先的にエネルギーとして利用されます。つまり、糖質中心の食生活では、体内に溜め込んでしまった脂肪を落としにくいのです。

 

上記によって、体に内臓脂肪がどんどん蓄積していくことで、メタボリックシンドロームを起こしやすくなってしまいます。そして、メタボリックシンドロームの真の元凶は、糖質の摂取過多なのです。

 

糖質を制限し、メタボリックシンドロームを防ぐ

メタボリックシンドロームの予防や治療には、食事で摂る糖質を減らす食事方法(糖質制限の食事)が有効です。

 

糖質制限の食事では、食事で摂る糖質の量をなるべく少なくし、その一方でタンパク質と脂質を十分に摂るようにします。それに加えて、水・ビタミン・ミネラル・食物繊維もバランスよくしっかりと摂るようにするのです。

 

脂質を十分に摂ると聞いて、「内臓脂肪を減らすには脂質を減らした方が良いんじゃない?」と思う方がいるかもしれません。

 

しかし、糖質を制限し、タンパク質と脂質を中心とする食生活では、食事で摂った糖質に代わり、体に溜まった脂肪がエネルギーとして使われやすくなります。

 

そのため、脂肪が溜まるどころか、むしろ内臓脂肪を効率よく落とすことができるのです。

 

糖質を多く摂る食生活を続けている場合、体はメタボリックシンドロームを起こす方向に向かってしまいます。そして、カロリー制限や脂質制限を取り入れたとしても、メタボリックシンドロームを予防するのは難しいです。

 

メタボリックシンドロームを起こさないためにも、まずはメタボリックシンドロームの元凶は糖質であると認識し、糖質を制限する食生活を取り入れていくことが重要になります。