夜食症候群はメタボリックシンドロームをまねく

会社の勤務形態などの事情によって、夕食を摂るのが遅くなってしまう方は多いのではないかと思います。しかし、夜遅くなってから食事を摂る習慣を身に付けると、やせにくく太りやすい体に向かってしまいます。

 

夜遅くに食事を摂る習慣が与える影響

私たちの体に溜め込まれた脂肪細胞からは、アディポサイトカインと呼ばれる物質が分泌されます。

 

アディポサイトカインとは、1つの物質を指す名称ではなく、脂肪細胞から分泌されるさまざまな物質をまとめて呼んだもの(総称)です。

 

体に内臓脂肪が蓄積した場合、アディポサイトカインのうちの一部は減って、もう一部は増加するといったことが起こります。これが、アディポサイトカインの分泌異常です。

 

アディポサイトカインの分泌異常により、健康を保つのに重要な物質代謝のバランスが崩れて、メタボリックシンドロームの危険因子である高血圧・高血糖・脂質代謝異常が起こりやすくなるとされているのです。

 

脂肪細胞から分泌される物質(アディポサイトカイン)のうちの1つに、レプチンがあります。

 

レプチンには、エネルギーの代謝を亢進させたり、食欲を抑えたりする作用があります。これらの作用をもつことから、レプチンの分泌は、メタボリックシンドロームの予防にとても大切なものとなっています。

 

しかしレプチンの作用は、夜遅くなってから食事を摂る習慣によって、弱まってしまいます。そしてこのことが、メタボリックシンドロームを起こしやすくする原因になるのです。

 

レプチンの作用が弱められた場合、それに合わせて中性脂肪が増えやすくなり、また血糖値が高まりやすくなります。

 

そして、レプチンの作用の低下によって起こるこのような現象は、夜食症候群といわれています。夜食症候群は、メタボリックシンドロームを起こしやすくなる一因とされているのです。

 

夜遅くの食事は、できるだけ控えた方が良い

人によっては、夕食を摂った場合であっても、寝る前にお菓子などの炭水化物を多く含むものを摂る方がいるかもしれません。このような習慣も夜食症候群にあてはまります。

 

もしこのような習慣をもっている場合には、メタボリックシンドロームを起こしたり進行させたりしないためにも、ぜひともやめることを考えてください。

 

また、会社の勤務形態などの理由によって、どうしても夜遅くの食事を摂ることになってしまうことがあるかもしれません。

 

このような場合、会社で出された夜食はそのまま摂りつつも、プライベートで夜遅くに食事を摂らないように心がけるのがいいでしょう。