栄養・代謝(同化・異化)、栄養素の熱量、糖質の種類

栄養・代謝
食事で摂ったものを、化学変化によって、エネルギーや体の構成成分に変えることを代謝という。食事によって、生きるために必要な栄養素を吸収し、それらの栄養素を代謝するまでの流れが、栄養である。

 

 代謝の分類
代謝には、同化異化がある。

 

・同化
単純である物質から、糖質、タンパク質、脂質などの構成成分をつくることを同化という。

 

・異化
複雑な物質を変化させて、より簡単な物質に分解することを異化という。異化は、主にエネルギーを得るために行われる。

 

 

栄養素
栄養素は、以下のように分けられる。

 

 ・栄養素 : 糖質(炭水化物)、タンパク質、脂質(脂肪)、ビタミン、無機質

 

 ・三大栄養素(熱量素) : 糖質、タンパク質、脂質(脂肪)

 

 ・微量栄養素(保全素): ビタミン、無機質

 

糖質、脂質、タンパク質の3つを三大栄養素(熱量素)という。これらは主に、生体のエネルギー源になる。

 

ビタミンの主な働きは、補酵素になることである。無機質は、ホルモンやビタミンの成分となったり、骨の形成を行ったりと、さまざまな働きをもつ。

 

 エネルギーの発生、熱量
糖質、タンパク質、脂質は、細胞の中で燃焼(酸化)されることで、エネルギーを発生する。こうして得られたエネルギーは、細胞による分泌や筋収縮など、細胞が働くときに使用される。

 

細胞が働くことで熱が生じる。また、働きが活発である器官であるほど、多くの熱を生じる。糖質、タンパク質、脂質が、それぞれ1gずつ燃焼した場合、以下の熱量が生じる。

 

 ・糖質 : 4.1キロカロリー

 

 ・タンパク質(体内の場合) : 4.1キロカロリー

 

 ・脂質 : 9.3キロカロリー

 

 ※1キロカロリーにつき、1キログラムの水の温度を、14.5℃から15.5℃に上げることができる。
 
糖質(炭水化物)
糖質は、酸素、水素、炭素によって構成されている。糖質では、酸素と水素との割合が、1:2となっているものがほとんどである。糖質の主な役割は、生体のエネルギー源となることである。

 

糖質には、単糖類二糖類多糖類の3種類がある。二糖類は、水を失って2分子の単糖類が結合したものである。多糖類は、単糖類が数多く結合したものである。

 

・単糖類
グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトース

 

・二糖類
マルトース(麦芽糖)(グルコース2つが結合したもの)、スクロース(ショ糖)(グルコースとフルクトースが結合したもの)、ラクトース(乳糖)(グルコースとガラクトースが結合したもの)

 

・多糖類
グリコーゲン、デンプン、セルロース、デキストリンなど

 

 グルコース(ブドウ糖)
人の体内に存在する糖質のなかで、1番重要なものがグルコースである。血液に含まれるグルコースを血糖という。グルコースは、果物などを摂ることで補給できる。

 

 グリコーゲン
動物の肝臓や筋には、糖質がグリコーゲンの状態で蓄えられている。体内でグルコースが必要になった場合、肝臓に含まれているグリコーゲンがグルコースに分解される。そして、血液に補給される。