倹約遺伝子を理解し、ダイエットの成功につなげる

ダイエットを行っている方のなかには、正しい方法でダイエットしているにも関わらず、なかなかやせることができない方がいます。このような方の場合、もしかしたら倹約遺伝子が関係しているかもしれません。

 

倹約遺伝子の存在は、基礎代謝量に関係します。ここからは、基礎代謝などの消費エネルギーの視点から、倹約遺伝子について述べていきたいと思います。

 

倹約遺伝子があることによる基礎代謝への影響

安静にしている状態で消費され、生きていくうえで欠かせないエネルギーのことを基礎代謝といいます。また、基礎代謝とは別に、食事による消費エネルギーや活動による消費エネルギーがあります。

 

そして、基礎代謝・食事による消費エネルギー・活動による消費エネルギーをそれぞれ足したものが、全体の消費エネルギーになっています。

 

これらのうち、食事による消費エネルギーの量は、日本人の平均では200キロカロリーとされています。活動による消費エネルギーの場合、人によって大きく差があるものの、その消費エネルギー量は500キロカロリー以内とされています。

 

基礎代謝の場合、男性の平均が1500キロカロリーとされ、女性の平均が1200キロカロリーとされています。このように、全体の消費エネルギーのうち、基礎代謝が占める割合はかなり大きいのです。

 

倹約遺伝子をもっている人の場合、倹約遺伝子をもっていない人に比べて、基礎代謝が少ない状態になっています。人によっては、基礎代謝が600キロカロリーや800キロカロリーの人もいるとされています。

 

そのため、倹約遺伝子をもっている方の場合、倹約遺伝子をもっていない方に比べてやせにくく太りやすいのだと考えられます。それでは、倹約遺伝子をもっている方がダイエットを行う場合、どのようにすればよいのでしょうか。

 

倹約遺伝子をもっている場合のダイエット方法

倹約遺伝子をもっている方がダイエットを行う場合、倹約遺伝子を持ってない方に比べて、食事の量をさらに減らすことが重要になります。

 

このとき減らす食品は、白米・スイーツ・イモ類などの糖質を多く含むものを優先的に減らしてください。

 

糖質を摂る量が多いと、余分な糖質が脂肪として蓄えられます。さらに、食事などで摂った糖質から優先的にエネルギーとして使われるため、体に溜まった脂肪が使われにくくなってしまうのです。

 

できるだけ糖質のものを減らすことができ、それでもまだ体がやせていかない場合には、今度は脂質を多く含む食品を少しずつ減らしてみてください。

 

糖質を制限している状態で、極端に脂質を減らし過ぎると、エネルギー不足を起こしてしまう恐れがあります。そのため、糖質を制限している場合には、脂質を多く含む食品は、少しずつ減らすようにすることをおすすめします。

 

食事以外の方法としては、ウエイトトレーニングなどの筋力トレーニングがあげられます。

 

筋力トレーニングを正しく取り入れ、筋肉の材料になるタンパク質を十分に摂り、トレーニング後にしっかりと体を休めることで、筋肉を発達させることができます。そして、正しい筋力トレーニングを続けていくことで、筋肉は少しずつ発達していくのです。

 

筋肉が付けば、その分だけ基礎代謝が上がります。そのため、筋肉を付けることによって、体が引き締まってやせやすい体になります。

 

また、トレーニングを行ってから一定の期間は、トレーニングでダメージを受けた筋肉が回復するために、トレーニング前よりも基礎代謝が上がった状態になっています。このことも、ダイエットをしていくうえで、大きな利点になります。

 

以上のように、倹約遺伝子をもつ方の場合であっても、ダイエットでやせることは十分に可能です。そして、倹約遺伝子をもつもたないに限らず、ダイエットを成功させるためには、正しい方法で努力していくことが重要になります。