細菌の種類・構造 − 健康と医療の情報局

 

細菌の種類・構造

 

細菌の形
細菌を形で大きく分けると、球菌杆菌らせん菌の3種類に分けられる。

 

細菌の構造
細菌の内側には、細胞膜に包まれた細胞質が存在する。さらに、細胞質の内部には、が存在する。また、細菌の細胞膜の外側は、細胞壁という膜で包まれている。

 

 細胞壁
細胞壁は、細菌の形を一定に保っている。細胞壁を構成する主な成分の1つとして、多糖類が含まれている。

 

細菌の内側は、高い浸透圧をもっている。細胞壁には、この浸透圧によって、細菌が壊されないように守る役割ももっている。

 

もし、細菌の細胞壁が不完全な状態になったり、破壊されたりした場合、その細菌は、自身の浸透圧によって壊れてしまう。

 

細胞壁には、多糖類とペプチドで構成されるペプチドグリカンという化合物が存在する。細胞壁は、ペプチドグリカンが含まれていることによって、丈夫になっている。

 

グラム陽性菌の細胞壁に含まれるペプチドグリカンの量は、グラム陰性菌の細胞壁よりも多い。

 

・外膜、外膜タンパク
グラム陰性菌の最も外側の表面は、外膜という膜でおおわれている。

 

外膜には、外膜タンパクという物質が存在する。この物質は、外膜がもつ機能に関わるものである。外膜タンパクのうち、比較的、量が多いものを主要外膜タンパクという。

 

主要外膜タンパクは、外膜に管のような構造物を構成する。この管状の構造物を介して、細胞の内側と外側に存在する低分子の物質が、外膜を通り抜けることができる。

 

また、上記のような管状の構造物を構成できるタンパクのことをポーリンという。

 

 細胞質
細胞質は、リボソーム、tRNA(トランスファーRNA)、mRNA(メッセンジャーRNA)、液体成分、高分子の物質などで構成されている。また、細菌の細胞質の外側の表面は、薄い細胞膜によっておおわれている。

 

 芽胞(胞子)
特定の細菌は、自身が育つ環境が悪くなった場合、菌体の中に芽胞(胞子)という構造をつくる。芽胞をつくることによって、その細菌は生き延びようとする。また、芽胞の内側では、菌体が圧縮した状態になっている。

 

芽胞には、芽胞殻皮層という2種類の層がある。これらの層によって、菌体の内側に水分が入らないようになっている。

 

芽胞の状態では、増殖を行うことができない。しかし、菌体が生きるのに適した環境になったとき、芽胞に水分が送られる。そして、水分を与えられた菌が増殖を行う。

 

芽胞にある芽胞殻を、人の力で意図的にはがした場合であっても、その細菌は上記と同じ働きを行う。増殖を行える菌のことを、栄養型という。そして、芽胞のことを耐久型(休眠型)という。

 

 鞭毛(べん毛)
細菌には、タンパクでできた鞭毛(べん毛)という毛をもつものが存在する。鞭毛をもつ細菌は、運動性に優れている。鞭毛の数は、その細菌によって異なる。1本だけの場合もあれば、複数本もつ場合もある。

 

 線毛
線毛は、宿主の組織に菌を定着させるための器官だとされている。線毛は、運動性とは無関係である。菌によっては、菌同士で線毛をつなげて、遺伝子のやり取りを行うものも存在する。このような線毛のことを、性線毛という。

 

 莢膜(きょう膜)
細菌には、多糖類やタンパクなどで構成される膜である莢膜(きょう膜)をもつものが存在する。莢膜は、細胞壁の外側の表面をおおっている。また、莢膜には抗原性がわずかに備わっている。これをK抗原(莢膜抗原)という。

 

莢膜は、白血球などの宿主の攻撃から菌体を守るために、抗食菌作用という抵抗性をもっている。さらに、菌自身の毒の力を高める働きももっている。