うっ血、充血、虚血、出血 − 健康と医療の情報局

 

うっ血、充血、虚血、出血

 

うっ血
静脈を流れる血液が、心臓への進行を抑えられた場合、毛細血管と静脈が伸び広げられる。その結果、静脈に存在する血液の量が増えることを、うっ血という。うっ血には、局所性うっ血全身性うっ血が存在する。

 

・局所性うっ血
指をテープで何周も巻いて圧迫させると、巻いた場所から指先の方がうっ血する。このようにして起こるうっ血が、局所性うっ血にあてはまる。

 

・全身性うっ血
心臓の機能が障害された場合、全身性うっ血が引き起こされる。全身性うっ血が起こった場合、さまざまな障害が、体中のさまざまな臓器に起こる。それにより、浮腫、呼吸困難、乏尿などの症状が現れる。

 

・うっ血の初期、チアノーゼ
うっ血を起こして間もない頃は、一部の毛細血管が伸び拡げられ、そこに静脈血が溜まる。すると、皮膚の色が青みがかる。これをチアノーゼという。

 

チアノーゼの場合、血液に含まれる脱酸素化ヘモグロビン(デオキシヘモグロビン)という物質が増えることで、皮膚が青みがかった色になる。また、チアノーゼは皮膚の他に、爪や唇などにも起こりうる。

 

・うっ血の初期以降、浮腫
うっ血の状態が続いている場合、血液に含まれる液体成分が、毛細血管や静脈から組織の間質に運ばれやすい。この状態のことを浮腫(水腫)と呼ぶ。

 

・褐色硬化
うっ血が続いた場合、それによって伸び広げられた血管の周りにある結合組織が増殖を行う。そして、その血管を含んでいる臓器が硬くなっていく。このことを褐色硬化という。

 

 

充血
動脈が局所的な拡張を起こし、拡張した動脈内に含まれる血液の量が増やされた状態を充血という。充血している局所は腫れており、明るい赤色を示す。さらに、拍動が現れており、温度が上がっている。

 

充血のうち炎症によって起こるもの以外は、ほとんど一過性のものである。

 

緊張したときや恥ずかしいときに顔が赤くなるのは、充血によって起こるものである。また、皮膚の炎症の際、その部分に熱さを感じて赤くなるのも充血による。

 

 

虚血
組織か臓器へと送られる動脈血の量が減っている場合、その状態を虚血という。血管のれん縮や、血管壁が外側からの圧迫により、血管の内腔が狭くなることで虚血が起こる。

 

・虚血の症状
虚血の状態の臓器に現れる症状は、その虚血の発生の仕方などによって異なる。

 

長期間、血流が著しく不足している場合には、虚血の状態の臓器が壊死を起こす。また、血流の不足が軽く、虚血の発生もゆるやかな場合には、虚血の状態の臓器は、萎縮や変性を起こす。

 

 

出血
血管の内膜の外側に、血液に含まれる成分すべてが流れ出ることを、出血という。出血は、その発生の仕組みによって分けることができ、漏出性出血破綻性出血とに分類される。

 

 漏出性出血
血管壁が壊れていない場合に、血管にある内皮のすき間から血液が漏れることを漏出性出血という。

 

漏出性出血には、血液の凝固に異常があって起こる出血と、血管の周りの組織と血管壁に異常があって起こる出血とがあげられる。

 

・血液の凝固の異常
血液の凝固の異常のうち、主なものを以下に示す。

 

 ・凝固因子の遺伝的な欠損
 血友病

 

 ・凝固因子の生成障害
 特定の血液凝固因子をつくるのに必要なビタミンKの不足

 

 特定の血液凝固因子をつくる肝臓における機能障害

 

 ・血小板の減少
 感染症、腫瘍、薬物などで起こる骨髄の機能障害

 

・血管の周りの組織と血管壁での異常
血管の周りの組織と血管壁での異常には、うっ血や炎症などがある。

 

 破綻性出血
血管壁が壊されることで生じる出血のことを破綻性出血という。

 

動脈や静脈での病変で血管壁がもろくなった場合、または、外傷などで血管壁が傷ついた場合、血管壁が壊れて出血が生じる。

 

破綻性出血の例として、高血圧症で起こった脳出血や、動脈瘤が破れた場合の出血などがあげられる。

 

・出血の性質や状態の違い
出血の性質や状態は、出血を起こした血管の種類(動脈、静脈、毛細血管)ごとに違う。

 

 ・動脈性の出血の場合
動脈性の出血であれば、出血の色が明るい赤色になる。そして、心臓の拍動に合わせて、大量の出血が起こる。

 

 ・静脈性の出血の場合
静脈性の出血であれば、出血の色が暗い赤色になる。そして、少しずつ出血が起こる。しかし、静脈性の血管での出血であっても、大量の出血が起こる場合がある。

 

 ・毛細血管性の出血の場合
毛細血管性の出血であれば、ごく少量ずつにじみ出るような出血が起こる。毛細血管性の出血では、出血を起こした場所が判断できない場合がある。

 

 出血性素因
ちょっとした傷を負っても出血が起こり、さらに、出血が止まるまでの時間が長い場合、出血性素因がある状態ということになる。この場合、漏出性出血が確認される。

 

出血性素因となる原因には、白血病や血友病などがあげられる。

 

 出血の分類
出血は、いくつかの種類に分けられる。

 

・内出血
体の内部に向けての出血のことを、内出血という。

 

・外出血
体の外に向けての出血のことを、外出血という。

 

・血腫
組織の内部に出血を起こし、かたまりをつくっているものを血腫という。

 

・紫斑(しはん)
粘膜や皮膚での出血のことを、紫斑(しはん)という。紫斑は、その大きさで名前が異なる。

 

斑のようになっている紫斑のことを、斑状出血という。一方、点のようになっている紫斑のことを、点状出血という。

 

 出血の場所の分類
出血の場所によって、以下のように分けることができる。

 

・吐血
胃などの上部の消化管で出血が起こり、その血液を口から吐き出すことを吐血という。

 

・喀血(かっけつ)
気管支や肺で出血が起き、その血液をせきなどと一緒に口から出すことを喀血(かっけつ)という。

 

・下血
便に血液が混じって、肛門から排出されることを下血という。

 

・血尿
血液が尿に混じっている状態を血尿という。

 

 出血による影響
体全体の血液のうちの1/3が、体から消失した場合、一般的には死に至る。

 

急な出血が起こり、さらにその出血の量が多い場合には、血圧が下がる。さらに、ショック状態を起こして死に至る危険性がある。

 

わずかな出血であっても、脳で起こった出血であれば、出血によって脳組織が圧迫される。それによって、危険な状態になる恐れがある。

 

 止血の仕組み
止血は、血液と血管の両方から行われる。血管が傷を負った場合、傷を負った場所の血管が収縮する。そして、傷の大きさを縮めようとする。

 

傷の部分には、血液に含まれる血小板がくっ付く。これに加えて、血液の凝固のメカニズムが作用し、血栓がつくられる。そして、完璧な止血にする。