鼻腔・咽頭・喉頭の働きと疾患 − 健康と医療の情報局

 

鼻腔・咽頭・喉頭の働きと疾患

 

鼻腔・咽頭の働きと疾患

 

 鼻腔の構造と働き
鼻から空気を吸い込むと、その空気は鼻腔の内部を通る。そのとき、鼻腔粘膜の粘液や、鼻毛によって、通過する空気がよりきれいな状態になる。

 

また、鼻腔内にはヒダ状の突起の鼻甲介がある。鼻甲介では、鼻から入り込んだ空気に湿度を含ませ、さらにその空気の温度が体温に近づけられる。

 

鼻腔から咽頭へと向かう途中には、左右一対の穴になっている後鼻孔が存在する。

 

・副鼻腔の構造と働き
鼻腔の周りに存在する骨は、その内側に副鼻腔という腔所をもっている。副鼻腔には、空気が入り込むようになっている。

 

副鼻腔には4つの種類があり、それぞれ前頭洞蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)、上顎洞(じょうがくどう)、篩骨洞(しこつどう)という。これらの副鼻腔は、鼻腔に向かって広がっている(開口している)。

 

副鼻腔の内側の面は粘膜でおおわれている。この粘膜は、鼻粘膜から続いているものである。このことから、副鼻腔の内部の粘膜では、炎症が拡大することが多い

 

 咽頭の構造と働き
咽頭は、上咽頭中咽頭下咽頭で構成されている。咽頭の下側では、食道喉頭にそれぞれつながっている。

 

上咽頭の両側の壁には、咽頭から鼓室(中耳)へと続く管である耳管の開口部(開いている場所)が存在する。また、上咽頭の後ろ側の壁には、咽頭扁桃が存在する。

 

・ワルダイエル咽頭輪
咽頭と口峡をそれぞれ囲むように、咽頭扁桃口蓋扁桃舌扁桃などのリンパ組織が存在している。これらのリンパ組織をまとめてワルダイエル咽頭輪という。

 

ワルダイエル咽頭輪は、リンパ球を多く含んでいる。そして、生体を守る防御組織としての役割をもつ。

 

 鼻腔・副鼻腔・咽頭の疾患

 

・上顎がん
副鼻腔の1つである上顎洞に生じるがんを上顎がんという。上顎がんは、男性に起こることが多い。さらに、そのなかでも50代や60代に起こる場合が多い。また、上顎がんの場合、遠くの組織に転移することは、ほとんどない。

 

 ・上顎がんの症状
上顎がんを発病した初期の頃では、現れる症状が少ない。しかし、片方の鼻が詰まったり(鼻閉)、眼窩(がんか)の下側の神経に麻痺や痛みを生じたりする場合がある。

 

上顎がんが進んだ場合、ものが二重に見える(複視)、歯がゆれ動く(歯牙動揺)、口が開きにくくなる(開口障害)などの症状が起こる。

 

 ・上顎がんの治療
上顎がんの治療法として、化学療法、放射線治療、手術があげられる。

 

・上咽頭がん(鼻咽頭がん)
上咽頭がん(鼻咽頭がん)は、頸部のリンパ節に転移することが多い。また、発生した場所から遠くの場所に転移することもある。上咽頭がんの症状には、複視、鼻詰まり(鼻閉)、鼻出血などがある。

 

 ・上咽頭がんの治療
上咽頭がんの治療法として、放射線治療があげられる。

 

・鼻炎
鼻粘膜での炎症をまとめて鼻炎という。鼻炎は、急性鼻炎慢性鼻炎とに分類できる。

 

 ・急性鼻炎
アレルギーやウイルスが主な原因となって、急性鼻炎が引き起こされる。急性鼻炎の場合、数多くの分泌物が鼻粘膜で発生する。これにより、鼻閉や鼻漏が引き起こされる。

 

 ・慢性鼻炎
慢性鼻炎は、鼻の粘膜の刺激が続いたり、急性鼻炎を繰り返し起こしたり、アレルギー性の反応が続いたりする場合に発病する。

 

慢性鼻炎の場合、鼻ポリープ(鼻たけ)がつくられることが多い。鼻ポリープがつくられた場合、鼻がふさがった感覚を強く感じるようになる。

 

慢性鼻炎の型によっては、鼻の粘膜が萎縮を起こし、萎縮性鼻炎が現れる場合がある。萎縮性鼻炎の場合、においを感じなくなることがある。

 

・副鼻腔炎
副鼻腔炎は、副鼻腔に風呂やプールなどの水が入った場合や、歯根炎が拡大した場合などで発病する。

 

副鼻腔炎の主な原因として、ブドウ球菌やレンサ球菌などの細菌があげられる。副鼻腔炎をとくに起こしやすい場所は、前頭洞や上顎洞(じょうがくどう)などである。

 

副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎慢性副鼻腔炎とに分けられる。慢性副鼻腔炎の場合、判断力・記憶力・集中力などが落ちたり、頭痛が起こったりする。

 

・ウェゲナー肉芽腫症
ウェゲナー肉芽腫症の症状として、体全体の血管炎、肺と上気道の壊死性肉芽腫性炎、腎臓の壊死性の炎症の3つがあげられる。ウェゲナー肉芽腫症は、30〜50代の人に発病することが多い。

 

 ・ウェゲナー肉芽腫症の治療
ウェゲナー肉芽腫症の治療法として、免疫抑制療法があげられる。ウェゲナー肉芽腫症は、早めに治療することで、その病変を完全に消失させることが期待できる。

 

 

喉頭の働きと疾患

 

 喉頭の構造と働き
喉頭は、咽頭から続いており、気道になっている。さらに、喉頭は、声を発するための構造になっている。

 

・声帯、声門
喉頭の左側と右側には、声帯が存在する。そして、左右の声帯の間の狭い場所のことを声門という。

 

声門がふさがったり腫れたりすると、気道が閉塞を起こすことがある。気道が閉塞した場合、気管を切り開くことが必要とされる。

 

 喉頭の疾患

 

・喉頭がん
喉頭がんの多くは、声帯で発生する。喉頭がんの主な原因として、喫煙があげられる。喉頭がんは、40代以降の男性に起こることが多い。

 

 ・喉頭がんの症状
喉頭がんの主症状として、声がかれることがあげられる。このことから、早めに発見できることが比較的多い。

 

 ・喉頭がんの治療
喉頭がんの治療法として、手術、放射線治療があげられる。また、がんの進行やがん化している場所によって、適切な治療が変わる。

 

・急性喉頭炎
ウイルスや細菌などの微生物によって、急性喉頭炎が生じる。急性喉頭炎は、呼吸困難を起こす原因になる場合がある。

 

・慢性喉頭炎
刺激のある化学物質、過度な発声、喫煙などにより、慢性喉頭炎が生じる。

 

・声帯ポリープ(喉頭結節、歌手結節)
声帯ポリープ(喉頭結節、歌手結節)は、その名の通り、声帯に生じるポリープである。過度に発声した場合や、喫煙の習慣によって、声帯ポリープが引き起こされる。

 

声帯ポリープでのポリープの表面は、平らで滑らかである。また、声帯ポリープでのポリープの大きさは、約1cm以下である。