閉塞性肺疾患の分類、COPD、拘束性肺疾患、肺塞栓症 − 健康と医療の情報局

 

閉塞性肺疾患の分類、COPD、拘束性肺疾患、肺塞栓症

 

閉塞性肺疾患
息を吐くこと(呼出:こしゅつ)が妨げられることで引き起こされる疾患をまとめて閉塞性肺疾患という。

 

 肺活量・1秒量・1秒率との関係、慢性閉塞性肺疾患(COPD)
最大まで肺の中にガスを吸い込んだ後で、吐き出すことができる最大のガスの量を肺活量という。

 

最大まで肺の中にガスを吸い込んだ後、最初の1秒間で吐き出すことができるガスの量を1秒量という。また、肺活量に対しての1秒量の比率のことを1秒率という。

 

閉塞性肺疾患の場合、上記の1秒量と1秒率がそれぞれ減少する。また、肺活量そのものは正常である。

 

上記のことが確認される疾患として、肺気腫気管支喘息慢性気管支炎気管支拡張症がある。これら4つの疾患をまとめて慢性閉塞性肺疾患(COPD)という。

 

 

 肺気腫
呼吸細気管支と肺胞のレベルで壁が壊され、それに伴って気腔が異常に伸び広げられる疾患のことを肺気腫という。

 

・肺気腫の型
肺気腫には型が存在し、小葉中心型汎小葉型傍隔型瘢痕周囲型の4つがあげられる。このうち、小葉中心型の場合、他の型に比べて喫煙との関わりが大きい。

 

汎小葉型の場合には、遺伝性疾患であるα1-アンチトリプシン欠損症が原因となって起こる。さらに、肺気腫が40歳代で引き起こされる。

 

・肺気腫に関係するもの
肺気腫に関係が深いものとして、喫煙があげられる。肺気腫の発病を防ぐためには、喫煙しないことが望ましい。

 

・肺気腫の症状
肺全体の1/3以上まで、肺気腫の病変が進行しなければ、動いた後の息苦しさや呼吸困難などの症状は、ほとんど確認されない。

 

しかし、肺胞が壊されて、肺の弾力性が失われた場合、それが原因となって、閉塞性障害を起こす危険性がある。また、肺気腫が胸膜下に生じる場合、直径約1cm以上の気腫性の嚢胞であるブラがつくられる。

 

 

 気管支喘息
気管支喘息では、気道が過敏な状態である場合、急な気道の狭窄が、その気道に含まれる平滑筋のれん縮で引き起こされる。さらに、気道の粘膜で過度な分泌が起こる。

 

気管支喘息の患者に確認されるものとして、発作的に起こる喘鳴(ぜんめい:呼吸時に鳴るヒューヒュー、ゼーゼーなどの独特な音)と呼吸困難が、それぞれあげられる。

 

気管支喘息による変化は、治療などで正常な状態に戻すことができる。

 

・喘息で確認されるもの
喘息(ぜんそく)で確認されるものには、平滑筋の肥大化、粘液の過度な分泌、上皮基底膜が厚くなる、好酸球の浸潤が、それぞれあげられる。

 

・喘息の症状のコントロール
気管支喘息の症状のコントロールは、気管支拡張薬やステロイドなどを使用することで可能になる場合が多い。

 

・喘息の分類
喘息(ぜんそく)には、内因性喘息外因性喘息とがある。また、薬剤アレルギーにあてはまる喘息(ぜんそく)として、アスピリン喘息がある。

 

 ・内因性喘息
内因性喘息の場合、気道での感染症によって引き起こされる。また、中年以降の人の場合、内因性喘息を起こしやすい。

 

 ・外因性喘息
外因性喘息は、T型アレルギーの1つにあてはまるものである。

 

マスト細胞(肥満細胞)の表面にあるIgE抗体に、体の外に存在するアレルギーを起こす抗原(アレルゲン)が結合した場合、マスト細胞がもつロイコトリエンやヒスタミンなどの化学的媒介物質が放たれる脱顆粒が引き起こされる。

 

すると、気道に含まれる平滑筋の収縮が起こり、気道が狭窄する。その結果、外因性喘息が引き起こされる。また、外因性喘息を起こすことが多い人として、高齢者や小児があげられる。

 

 ・アスピリン喘息
薬剤アレルギーのうち、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用によって生じる喘息(ぜんそく)をアスピリン喘息という。アスピリン喘息の症状は、非常に重い。そのため、死に至る恐れがある。

 

抗炎症薬を使用した後に、呼吸困難が引き起こされるときは、アスピリン喘息に対応できるようにしておく必要がある。

 

 

 慢性気管支炎
痰(たん)を伴う咳(せき)が、2年以上の期間で1年間あたり3ヶ月以上起こる状態であり、さらに、すでに知られている慢性疾患にかかっていない状態を慢性気管支炎という。

 

慢性気管支炎では、気管支粘液腺において、組織の肥大が過度な細胞分裂によって細胞の数が増える過形成が確認される。

 

慢性気管支炎の症状が重くなると、慢性呼吸不全が引き起こされる。また、慢性気管支炎の発病に関係する因子として、喫煙などがあげられる。

 

 

 気管支拡張症
気管支の内腔が拡張し、なおかつ正常な状態に戻らないものを気管支拡張症という。

 

・気管支拡張症の原因
気管支が異物や腫瘍などで閉塞する、先天性の異常、幼児期における症状が重い肺炎の既往などが、気管支拡張症の原因となる。

 

・気管支拡張症の症状
気管支拡張症の症状として、発熱、せき、疲れやすさ、喀痰(かくたん)、血痰(けったん)が確認される。

 

 

拘束性肺疾患
ガスの交換が、肺が伸び広がりにくくなることで妨げられる疾患として、拘束性肺疾患がある。拘束性肺疾患の場合、1秒率は正常なままであるものの、肺活量の低下が起こる

 

 

肺塞栓症
血栓などの塞栓をまねくもの(栓子)が肺動脈に流れ込むことで、肺動脈塞栓が引き起こされる場合がある。肺動脈を閉塞させる恐れのあるものには、血栓、脂肪、腫瘍、空気などがあげられる。

 

このうち、血栓による塞栓は、寝たきりで姿勢を動かすことが困難な状態の患者の場合に、下肢や骨盤の静脈でつくられた血栓によって起こることが多い。

 

これを避けるためには、患者の下肢を定期的にマッサージするなどして、血栓がつくられないようにすることが重要となる。