甲状腺ホルモン、甲状腺の疾患 − 健康と医療の情報局

 

甲状腺ホルモン、甲状腺の疾患

 

甲状腺ホルモン
甲状腺で分泌されるホルモンには、トリヨードサイロニン(T3)やサイロキシン(T4)などがある。また、トリヨードサイロニンとサイロキシンとをまとめて甲状腺ホルモンと呼ぶ場合がある。

 

トリヨードサイロニンとサイロキシンは、どちらもヨウ素化合物でもある。また、サイロキシンは、甲状腺から分泌される活性型のホルモンの大部分を占める。

 

甲状腺ホルモンの働きには、栄養の代謝、体の成長、循環など、さまざまなものがあげられる。その一方で、体に起こった疾患やホルモンなど、甲状腺の機能に影響を与えるものが、数多く存在する。

 

甲状腺ホルモンのほとんどは、血液の中ではタンパク質と結合した状態になっている。

 

甲状腺ホルモンは、結合しているタンパク質により、標的となる組織へとたどり着くと、結合しているタンパク質から離れる。そして、標的となる細胞に働きかける。

 

 

甲状腺の疾患

 

 甲状腺がん

 

・甲状腺がんの組織型の種類
甲状腺がんの組織型には、未分化がん低分化がん乳頭がん濾胞がん(ろほうがん)、髄様がんなどの種類がある。

 

 ・未分化がん
未分化がんは、サイログロブリンをつくる細胞である濾胞上皮で生じるがんである。未分化がんは、甲状腺がんの組織型のなかでも発生することが極めて少ない。

 

未分化がんの予後は非常に悪い。未分化がんを発病した場合、1年以内に死に至る危険性が高い。

 

 ・低分化がん
低分化がんは、サイログロブリンをつくる細胞である濾胞上皮で生じるがんである。

 

 ・乳頭がん
乳頭がんは、サイログロブリンをつくる細胞である濾胞上皮で生じるがんである。甲状腺がんの組織型のほとんどは、乳頭がんであることが多い。

 

乳頭がんは、甲状腺がんのなかで、1番予後が良い。乳頭がんは、腫瘍がつくられてから数年〜十数年以降経過しても、病気の完治を期待して行う手術である根治手術を行える場合が多いとされる。

 

乳頭がんが発生してから長期間過ぎると、乳頭がんに続発する形で、未分化がんを発病する危険性がある。そのため、乳頭がんが確認されたら、速やかに適切な治療を行うのが望ましい。

 

 ・濾胞がん
濾胞(ろほう)がんは、サイログロブリンをつくる細胞である濾胞上皮で生じるがんである。濾胞がんは、腫瘍がつくられてから数年〜十数年以上経過しても、根治手術を行えることが多い。

 

濾胞がんが発生してから長期間過ぎた場合、濾胞がんに続発する形で未分化がんを引き起こす恐れがある。このことから、濾胞がんが確認されたら、速やかに適切な治療を行うことが大切である。

 

 ・髄様がん
髄様がんが生じるのは、カルシトニン分泌細胞(C細胞)からである。

 

髄様がんを発病した患者には、その患者がもつ他の内分泌系の器官にも、髄様がんに合わせて過形成や腫瘍が現れることがある。これを多発性内分泌腫瘍症という。

 

髄様がんの多くは、同じ家系に多く発生する家族性の疾患となっている。

 

・微小がん
甲状腺で発生したがんのうち、直径が1cm以下であるものを微小がんという。

 

 

 バセドウ病(グレーブス病)
甲状腺の組織がびまん性に腫れあがり、その甲状腺組織から、甲状腺ホルモンが異常に多く分泌されることで発病する疾患として、バセドウ病(グレーブス病)がある。

 

バセドウ病(グレーブス病)は、甲状腺機能亢進症にあてはまる疾患の1種である。

 

・バセドウ病の症状
バセドウ病では、過剰に分泌された甲状腺ホルモンの働きにより、多汗、倦怠感、体の大部分の代謝の亢進、振戦、体重の減少、頻脈、眼球の突出などの症状が引き起こされる。このうち、眼球の突出は起こらない場合もある

 

・メルゼブルグの三徴候
眼球の突出、頻脈、甲状腺腫(甲状腺の腫れ)の3つの症状を合わせてメルゼブルグの三徴候という。

 

・バセドウ病の四徴候
メルゼブルグの三徴候に振戦を足したものをバセドウ病の四徴候という。

 

・バセドウ病治療
バセドウ病の治療法として、手術、薬物療法などがあげられる。バセドウ病を正しく治療することができれば、甲状腺の機能を正しい状態にし、それを維持することができる。

 

 

 慢性甲状腺炎(橋本病)
慢性甲状腺炎(橋本病)は、特定の原因によって、その個体自身の甲状腺が免疫系から異物と判断され、傷害されることで発病する疾患である。

 

慢性甲状腺炎は、その名の通り慢性の炎症である。また、数多くのリンパ球が甲状腺の組織に浸潤している。また、慢性甲状腺炎では、甲状腺がびまん性に肥大し、さらに硬くなる。

 

慢性甲状腺炎を治療せずに放って置いた場合、甲状腺の組織が壊される。さらに、甲状腺の機能が弱まって、粘液水腫(むくみ)が起こる。

 

・慢性甲状腺炎の症状
慢性甲状腺炎の場合、甲状腺の機能が弱まった状態になる。これにより、体全体の代謝が低下する。そして、精神的な活動も身体的な活動も、それぞれ活発でない状態におちいる。

 

・慢性甲状腺炎の治療
慢性甲状腺炎の治療法として、足りなくなった甲状腺ホルモンを補給するための内科的治療があげられる。