外分泌と内分泌の違い、ホルモンとフィードバック機構
このページでは、「外分泌と内分泌の違い」「ホルモンとフィードバック機構」について、それぞれ解説していく。
外分泌と内分泌の違い
細胞から物質が分泌される様式(分泌様式)には、外分泌と内分泌との2種類がある。
外分泌
分泌された物質(分泌物)が導管へと集合した後、標的となる組織などに送られて、その場所で作用する様式を外分泌という。
外分泌の例としては、
「汗腺で分泌された汗が、導管を通って表皮に出る」
「肝細胞で分泌された胆汁が、胆汁の通路である胆道を通って十二指腸に入る」
などがあげられる。
内分泌
分泌物が導管を通行せず、血流を通して標的となる臓器にたどり着き、その臓器で作用する様式を内分泌という。また、血液に向けて物質の分泌を行う器官のことを内分泌腺(ないぶんぴつせん)という。
内分泌腺でつくられる物質のことをホルモンという。そして、ホルモンの標的となる細胞や組織に存在し、決まったホルモンを受け入れるものを受容体(レセプタ)という。
内分泌腺とそこで分泌されるホルモンの例としては、
「膵臓のランゲルハンス島のB細胞(β細胞)で分泌されるインスリン」
などがあげられる。
ホルモンとフィードバック機構
体の外部の環境と、体の内部の環境は、それぞれ常に変わり続けている。
環境の変化のなかで、個体の生命を維持し続けるためには、体の機能を調節し、体における恒常性(ホメオスタシス)を保つことが必要である。この体の恒常性に必要となるものとして、ホルモンがあげられる。
ホルモンの場合、いくつかのホルモンが関わって1つの機能の働きを促したり保たせたりすることの方が多い。そして、そのホルモン1つだけで1つの機能を行うことは多くない。
●協同的(促進的)
単一ではなく、2つ以上のものが協力し合って、1つの働きを進めていくことを協同的(促進的)という。
●拮抗的
特定の作用2つが、互いに反対の方向に働く正と負の関係になって作用し合うものを拮抗的(きっこうてき)という。
拮抗的にあてはまる例としては、
「血糖を下げる働きをもつインスリンと、血糖を上げる働きをもつグルカゴンや成長ホルモンなどとの関係」
があげられる。
フィードバック機構
上記の「拮抗的」のように、互いに拮抗する作用を進行し、その2つの作用がどちらかに傾き過ぎないように、バランスを維持できるようにする機構のことをフィードバック機構という。