糖質代謝障害・疾患 − 健康と医療の情報局

 

糖質代謝障害・疾患

 

糖質の代謝には、インスリン、グルカゴン、副腎皮質ホルモン、成長ホルモンなどのさまざまなホルモンが関係している。糖質の代謝障害を示すものには、糖尿病がある。

 

体に取り込まれた糖質の一部は、グリコーゲン(糖原)となって、筋組織である心筋や骨格筋、臓器である肝臓などに蓄えられる。

 

 糖尿病
血糖値を下げることができる唯一のホルモンが、インスリンである。このインスリンが不足することで、高血糖の状態や、グルコース(ブドウ糖)の利用の障害などが生じる。このような状態を示す疾患を糖尿病という。

 

糖尿病になると、体内で余った糖が尿へと排出される。

 

糖尿病が診断されるのは、血液に含まれるグルコースの量を表す血糖値が高い場合である。高血糖の状態が長く続く場合、ヘモグロビンと糖とが結合した物質であるヘモグロビンA1Cがつくられる。

 

血糖値のコントロールの状況は、ヘモグロビンA1Cの値を測定することで調査できる。

 

・血糖、尿糖
腎臓にある尿細管という場所では、血液に含まれるグルコース(ブドウ糖)が再吸収される。これにより、グルコースが尿へと排出されることは極めて少ない。

 

だが、限界を超えて血糖値が上がってしまった場合、尿細管でのグルコースの再吸収が追いつけなくなる。その場合に、グルコースが尿へと排出される。

 

上記のことから、糖尿病にかかっていない人であっても、運動を行った直後や、多くの糖質を摂った場合では、尿糖の検出が起こりうる。

 

その一方で、腎臓の障害によって、正常な血糖値であっても、糖質が腎臓から尿に排出される場合がある。このような状態を腎性糖尿という。腎性糖尿は、糖尿病にはあてはめられていない

 

・糖尿病の種類
糖尿病には、1型糖尿病2型糖尿病がある。

 

 ・1型糖尿病
膵臓のランゲルハンス島には、B細胞という細胞がある。この細胞は、インスリンをつくる機能がある。B細胞が壊され、その数が少なくなった場合、B細胞が十分にインスリンをつくれなくなる。それにより、高血糖が起こった状態となる。

 

1型糖尿病を治療する場合、インスリンを注射して補う必要があることが大半である。

 

 ・2型糖尿病
2型糖尿病の場合、B細胞は残った状態である。しかし、インスリンに正常に反応できなかったり、インスリンが分泌が起こらなかったりする。それにより、高血糖が起こった状態となる。

 

2型糖尿病には、肥満や遺伝などが関係している。2型糖尿病の場合に行われる主な治療としては、運動療法や食事療法があげられる。

 

 ・その他の糖尿病
特定の疾患(内分泌疾患、肝臓疾患、膵臓疾患など)や、特定の薬剤(ステロイドなど)の使用に合わせて、糖尿病が引き起こされることがある。

 

また、糖尿病が妊娠中の人に確認された場合、その糖尿病のことを妊娠糖尿病と呼ばれる。

 

・糖尿病の合併症
糖尿病の状態になると、体のさまざまな血管が障害を受ける。そして、それによる合併症が、体全体で引き起こされる。

 

長い期間、高血糖の状態が持続した場合、細胞外などにあるタンパク質と糖質との結合や、糖質の細胞内での沈着が起こる。

 

上記により、小さめの血管が比較的強く障害を受け、細胞脈硬化症を生じる。このことを、糖尿病性細小血管症という。

 

糖尿病性細小血管症の場合にとくに強い障害を受けるのが、末梢神経、腎糸球体、網膜などの小さい血管が数多く含まれる組織である。

 

これらの組織が、糖尿病性細小血管症によって障害されることで、糖尿病性神経障害糖尿病性腎症糖尿病性網膜症がそれぞれ起こる。

 

 ・糖尿病性神経障害
血管障害、代謝障害、栄養血管の血行障害が、糖尿病性細小血管症によって現れた場合、糖尿病性神経障害が起こる。

 

自律神経が障害される場合、発汗の調節における障害、起立性低血圧が引き起こされる。一方、末梢神経が障害される場合、知覚の異常、痛み、しびれが引き起こされる。

 

 ・糖尿病性腎症
腎糸球体が障害され、それが糖尿病性細小血管症によるものの場合、糖尿病性腎症が起こる。糖尿病性腎症の症状が進行した場合、腎不全を起こす恐れがある。

 

 ・糖尿病性網膜症
糖尿病性網膜症の場合、糖尿病性細小血管症によって、組織や臓器に送られる血液の量が減少した状態である虚血が網膜に起こる。これによって、網膜浮腫、毛細血管瘤などが引き起こされる。

 

糖尿病性網膜症の症状が進むと、網膜剥離(もうまくはくり)などが起こる。さらに、失明する危険性がある。

 

・糖尿病性壊疽
血行障害や神経障害などが糖尿病によって起こると、それらが原因となって、下肢などに壊疽(えそ)が引き起こされる場合がある。

 

・糖尿病と動脈硬化
糖尿病は、動脈硬化を引き起こす危険因子の1つにあげられる。

 

 

 糖原病
酵素の欠損が先天的に起こっており、それによってグリコーゲン(糖原)の代謝の異常が引き起こされるもの糖原病という。糖原病の場合、グリコーゲンの沈着が骨格筋や肝臓などに発生する。

 

糖原病には、いくつかの病型がある。それぞれの病型によって、グリコーゲンが溜め込まれる臓器が異なる。糖原病のそれぞれ病型について以下に示す。

 

 ・T型(フォン・ギールケ病)
糖原病のT型(フォン・ギールケ病)では、肝臓、腎臓にグリコーゲンが溜め込まれる。

 

 ・U型(ポンペ病)
糖原病のU型(ポンペ病)では、肝臓、心筋、骨格筋にグリコーゲンが溜め込まれる。

 

 ・V型(コリ病)
糖原病のV型(コリ病)では、心筋、骨格筋、肝臓にグリコーゲンが溜め込まれる。

 

 ・W型
糖原病のW型では、心筋、骨格筋、肝臓にグリコーゲンが溜め込まれる。

 

 ・X型
糖原病のX型では、骨格筋にグリコーゲンが溜め込まれる。

 

 ・Y型
糖原病のY型では、肝臓にグリコーゲンが溜め込まれる。

 

 ・Z型(垂井病)
糖原病のZ型(垂井病)では、骨格筋にグリコーゲンが溜め込まれる。

 

 ・[型
糖原病の[型では、肝臓などにグリコーゲンが溜め込まれる。