ミクロミネラルの種類・作用 − 健康と医療の情報局

 

ミクロミネラルの種類・作用

 

ミクロミネラルの種類
ミクロミネラルにあてはまるもののうち、主なものを以下に示す。

 

(Fe)、(Cu)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、フッ素(F)、ヨウ素(I)、セレン(Se)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、

 

 鉄(Fe)
鉄は、海藻、レバー、貝類などの食品に多く含まれる。ミクロミネラルにあてはまる。また、成人の体内には、約3gの鉄が含まれている。

 

・鉄の作用
鉄には、以下のような作用がある。

 

 ・シトクロムやカタラーゼなどの構成成分となる

 

 ・ミオグロビン鉄の形で、筋肉における酸素の輸送を行う

 

 ・ヘモグロビン鉄の形で、血液における酸素の輸送を行う

 

・鉄の欠乏症
体内に存在する鉄が足りなくなった場合、鉄欠乏性貧血が引き起こされる。

 

・鉄の過剰症
食事やサプリメントなどで鉄を摂り過ぎた場合、鉄が体の組織に沈着する鉄沈着症という過剰症が引き起こされる。

 

 

 銅(Cu)
銅は、牛のレバー、ホタルイカ、ゴマなどの食品に多く含まれる。ミクロミネラルにあてはまる。体内には、約80mgの銅が存在する。体にある組織のうち、骨、肝臓、筋肉などに銅が含まれている。

 

・銅の作用
鉄の代謝において、二価鉄を三価鉄に変える場合に使われる酵素がある。その酵素を構成する成分として、銅があげられる。また銅は、酸化還元反応の触媒を行う酵素などを構成する成分にもなっている。

 

・銅の欠乏症
銅が不足すると、貧血が引き起こされる。

 

 

 亜鉛(Zn)
亜鉛は、ブタのレバーなどの食品に多く含まれる。ミクロミネラルにあてはまる。体内には、約2gの亜鉛が存在している。亜鉛が含まれる組織には、筋肉や肝臓などがある。さらに、血液にも銅が含まれている。

 

・亜鉛の作用
亜鉛が関わるものには、免疫機能、体の成長、骨の機能、皮膚、味覚などがあげられる。また亜鉛は、さまざまな酵素の構成成分にもなっている。

 

・亜鉛の欠乏症
体内に存在する亜鉛が不足した場合、味覚障害、成長障害、免疫の機能の低下、皮膚の炎症などが引き起こされる。

 

・亜鉛の過剰症
亜鉛を摂り過ぎた場合の過剰症については、あまり知られていない。しかし、高濃度の亜鉛が含まれているものを摂った場合に、中毒症状が現れるとされている。

 

 

 クロム(Cr)
クロムは、アナゴやワカメなどの食品に多く含まれる。ミクロミネラルにあてはまる。成人の体内には、約2mgのクロムが存在している。

 

・クロムの作用
クロムが関わっているものには、糖質代謝、タンパク質の代謝、脂質代謝、免疫反応、インスリンの作用の強化などがあげられる。

 

・クロムの欠乏症
体内に存在するクロムが不足した場合、成長障害、タンパク質の代謝の異常、糖質の処理能力の異常などが引き起こされる。

 

 

 フッ素(F)
フッ素は、海藻やエビなどの食品に多く含まれる。ミクロミネラルにあてはまる。成人の体内には、約2.5gのフッ素が存在する。体に存在するフッ素の約95%は、骨や歯を構成する成分となっている。

 

・フッ素の作用
フッ素が関わるものとして、歯の再石化を促すなどがあげられる。そのため、フッ素をしっかりと摂ることが、虫歯(齲蝕:うしょく)の予防になる。

 

・フッ素の過剰症
フッ素を多く摂りすぎた場合、慢性フッ素中毒が引き起こされる。

 

 

 ヨウ素(I)
ヨウ素は、ヒジキやコンブなどの食品に多く含まれている。ミクロミネラルにあてはまる。成人の体内には、約15mgのヨウ素が存在している。甲状腺には、体内に存在するヨウ素のうちの約70〜80%が含まれている。

 

・ヨウ素の作用
ヨウ素は、甲状腺で分泌される甲状腺ホルモンを構成する成分となる。そして、生体でのタンパク質の合成、エネルギーの代謝などに関わっている。

 

・ヨウ素の欠乏症
体内に存在するヨウ素が不足した場合、クレチン病や甲状腺腫が欠乏症として引き起こされる。

 

・ヨウ素の過剰症
ヨウ素を多く摂り過ぎた場合には、甲状腺機能亢進症などの疾患が悪化するとされる。

 

 

 セレン(Se)
セレンは、ホタテやカツオなどの食品に多く含まれる。ミクロミネラルにあてはまる。成人の体内には、約13mgのセレンが存在している。またセレンは、約100μgの濃度で血清に含まれている。

 

・セレンの作用
生体には、体の酸化を防ぐ仕組みが存在する。この仕組みを担当しているものとして、グルタチオンペルオキシダーゼなどがあげられる。セレンは、これらの構成成分となる。

 

・セレンの欠乏症
セレンの欠乏を起こした場合、免疫力の低下、肝機能の障害、筋肉の萎縮、成長の異常などが引き起こされる。

 

・セレンの過剰症
食事などでセレンを多く摂り過ぎた場合、心筋梗塞、疲労感、腹痛、嘔吐などが引き起こされる。

 

 

 コバルト(Co)
コバルトは、ヒジキ、ハマグリなどの食品に多く含まれている。ミクロミネラルにあてはまる。成人の体の中には、約2mgのコバルトが存在する。

 

・コバルトの作用
コバルトは、ビタミンB12を構成する成分となる。

 

・コバルトの欠乏症
体内に存在するコバルトが不足した場合、悪性貧血を引き起こすと考えられている。

 

・コバルトの過剰症
コバルトを多く摂り過ぎた場合、発疹、嘔吐、食欲の低下などが引き起こされる。

 

 

 マンガン(Mn)
マンガンは、アーモンドや干しエビなどの食品に多く含まれている。ミクロミネラルにあてはまる。成人の体内には、約15mgのマンガンが存在する。マンガンを含む組織には、骨、腎臓、肝臓などがあげられる。

 

・マンガンの作用
マンガンは、特定の酵素の補助因子となる。また、骨の形成などには、マンガンが必要となっている。

 

・マンガンの欠乏症
体内に存在するマンガンが不足した場合、運動失調、糖質の代謝異常、脂質の代謝異常、成長の阻害、骨形成の異常などが引き起こされる。

 

・マンガンの過剰症
マンガンを多く摂り過ぎた場合には、不眠、精神障害、進行性の認知症、疲労感などが引き起こされる。

 

 

 モリブデン(Mo)
モリブデンは、ラッカセイや大豆などの食品に多く含まれている。ミクロミネラルにあてはまる。また、体内に存在するモリブデンの量は、約9mgである。

 

・モリブデンの作用
キサンチンオキシダーゼなどの酵素を構成する成分として、モリブデンがあげられる。

 

・モリブデンの過剰症
モリブデンを多く摂り過ぎた場合、銅の吸収が妨げられる。それにより、銅の欠乏症が引き起こされる。