食物繊維の種類(不溶性・水溶性)、食物繊維の作用
食物繊維とは
食物繊維は、糖質の多糖類にあてはまるものである。しかし、食物繊維は消化酵素によって消化ができず、エネルギー源にはならない。
食物繊維の種類
食物繊維は、不溶性のものと、水に溶ける水溶性のものとに分けられる。
不溶性の食物繊維
不溶性の食物繊維には、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、不溶性のペクチン質、キチン、イヌリンがある。
・セルロース、ヘミセルロース、リグニン
セルロース、ヘミセルロース、リグニンの3つは、主に植物性食品に含まれている。
・不溶性のペクチン質
不溶性のペクチン質は、主に熟していない果物や野菜に含まれている。
・キチン
キチンは、主にキノコ類、エビやカニの外側の皮に含まれている。
・イヌリン
イヌリンは、主にゴボウやニンジンに含まれている。
水溶性の食物繊維
水溶性の食物繊維には、水溶性のペクチン質、グアガム、β-グルカン、寒天、コンニャクマンナン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナンなどがある。
・水溶性のペクチン質
水溶性のペクチン質は、主に野菜や果物に含まれている。
・グアガム
グアガムは、主にグアマメという食品に含まれている。
・β-グルカン
β-グルカンは、主にオーツ麦や大麦などの穀物に含まれている。
・寒天、カラギーナン
寒天とカラギーナンは、主に紅藻に含まれている。
・コンニャクマンナン
コンニャクマンナンは、コンニャクに含まれている。
・アルギン酸ナトリウム
アルギン酸ナトリウムは、主にコンブなどに含まれている。
食物繊維の作用
食物繊維には、便秘の解消、大腸がんの予防、毒素の吸収の阻止、耐糖能(糖質を処理する能力)の改善、食事による血糖の上昇を抑えるなどの作用がある。
食物繊維の摂取不足に関係する疾患
食事などで食物繊維を十分に摂ることができない場合、以下のような疾患や症状が引き起こされることがある。
・食物繊維不足に関する腸疾患
大腸がん、虫垂炎、静脈異常、憩室、便秘
・食物繊維不足に関する代謝性疾患
心臓病、糖尿病、胃潰瘍、虫歯、コレステロール胆石、高コレステロール血症、尿路結石、高血圧、肥満