循環器疾患の場合の食事療法 − 健康と医療の情報局

 

循環器疾患の場合の食事療法

 

高血圧症
高血圧症には、一次性高血圧症(本態性高血圧症)、二次性高血圧症の2種類がある。

 

一次性高血圧症は(本態性高血圧症)は、原因がはっきりと判断できない高血圧症である。一方、二次性高血圧症は、原因がはっきりとわかっている高血圧症である。

 

高血圧症は、生活習慣病の1つに含まれている疾患である。

 

 高血圧症の主な要因
高血圧症を引き起こす主な要因には、飲酒、食事、遺伝、寒さ、運動不足、加齢、ストレス、肥満などがある。

 

高血圧症を危険因子の1つにするものとして、動脈硬化があげられる。さらに、脳血管疾患、腎硬化症、虚血性心疾患などの合併症が起こる危険性もある。

 

 高血圧症における食事療法
高血圧症の患者が食事を行う場合、主に以下の要点に注意することが望ましい。

 

・食塩の摂取量の制限
食塩の1日あたりの摂取量を、6g未満に抑える。最初は味気なく感じるかもしれないが、食塩の摂りすぎは改善する必要がある。

 

・食塩以外のミネラルの摂取
野菜や海藻などに含まれるカリウムには、血圧を下げる効果(降圧効果)がある。そのため、カリウムを含む野菜などの食品を積極的に食事で摂ることが望ましい。

 

ただし、腎臓の疾患がある場合には、カリウムの摂取を控えなければならない。

 

・適正体重を保つ
肥満している患者の場合、適正体重(BMI25未満)を目標として減量を行う必要がある。肥満していない患者であれば、現在の体重を保つように気をつける。

 

・飲酒の制限
長期間にわたって飲酒の習慣を続けた場合、それが血圧の上昇を引き起こす。そのため、飲酒はなるべく控える必要がある。

 

・コレステロールと飽和脂肪酸の摂取量の制限
コレステロールや飽和脂肪酸を必要以上に摂取すること自体は、直接的には血圧の上昇に結びつかない。

 

しかし、コレステロールや飽和脂肪酸の摂り過ぎは、動脈硬化や脂質異常症の危険因子になる。そのため、コレステロールや飽和脂肪酸の摂り過ぎは、控えるのが良い。

 

 

動脈硬化
特定の原因によって、動脈壁に硬化した場所や肥厚した場所ができて狭窄(きょうさく)が起こったものを動脈硬化という。動脈硬化には、アテローム硬化、細動脈硬化、中膜硬化の3種類がある。

 

 動脈硬化の主な危険因子
動脈硬化の危険因子のうち、主なものには、喫煙、家族歴、高血圧症、糖尿病、低HDLコレステロール血症、高LDLコレステロール血症などがあげられる。

 

上記の危険因子をなるべく減らすことが、動脈硬化の予防や治療に重要となっている。

 

 動脈硬化における食事療法
動脈硬化が患者を行う場合、主に以下の要点に注意することが望ましい。

 

・適正体重を維持する
適正体重を上回っている場合には、エネルギー摂取量を減らして適正体重を目指す。現在の体重が適正体重以下であれば、現在の体重を維持するように心がける。

 

・食物繊維の摂取
食事の際には、しっかりと食物繊維を摂るのがよい。

 

・抗酸化作用をもつビタミンの摂取
鮮度の高い果物や野菜に含まれるビタミンCなどの、抗酸化作用をもつビタミンを十分に摂り入れる。

 

・脂肪エネルギー比の調節
食事で摂ったすべてのエネルギーのうち、脂肪が占める割合のことを脂肪エネルギー比という。この脂肪エネルギー比を約20〜25%に制限する。

 

・食事で摂る脂質の比率を設定する
飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の3つを摂る比率を、以下のようにする。

 

 (飽和脂肪酸 : 一価不飽和脂肪酸 : 多価不飽和脂肪酸 → 3 : 4 : 3

 

・食事で摂るコレステロールの制限
1日あたりの食事で摂るコレステロールの量を、300mg以下に制限する。

 

 

虚血性心疾患
特定の原因によって、冠状動脈の内側に狭窄や閉塞が生じた場合、心筋に存在する酸素が不足し、心筋の機能に異常が起こることがある。これを虚血性心疾患という。虚血性心疾患にあてはまる疾患には、心筋梗塞狭心症などがあげられる。

 

 虚血性心疾患に関わるもの
虚血性心疾患に関わる生活習慣には、食塩の摂り過ぎ、脂質の取り過ぎ、ストレス、座ることが多い仕事、喫煙などがある。

 

また、虚血性心疾患に関わる疾患には、高尿酸血症糖尿病脂質異常症高血圧症などがあげられる。

 

 虚血性心疾患における食事
虚血性心疾患の患者が食事を摂る場合、その疾患の状態によって異なる注意点がある。

 

・急性期の場合の食事
その疾患の症状が、急激にあらわれる時期のことを急性期という。

 

虚血性心疾患の急性期において、通常の食事を取れる状態になった場合、血圧の上昇や心不全のリスクを避けるため、1日あたりに食事で摂る塩分の量は、6g未満に制限する。

 

・回復期の場合の食事
急性期を抜けて、体が回復に向かう時期のことを回復期という。

 

虚血性心疾患の回復期では、虚血性心疾患に関わる高尿酸血症、糖尿病、脂質異常症、高血圧症などの疾患に対応する食事を取り入れる。さらに、動脈硬化の予防も意識した食事を摂ることが望ましい。