糖質の種類・作用

糖質の種類
糖質は、単糖類二糖類多糖類に分けられる。

 

・単糖類
単糖類は、これ以上は分解されず、最小単位の糖質とである。単糖類にあてはまるものには、グルコース、ガラクトース、フルクトース、リボースなどがある。

 

・二糖類
二糖類は、単糖類が2つ結合してできているものである。二糖類にあてはまるものには、スクロース、ラクトース、マルトースなどがある。

 

・多糖類
多糖類は、単糖類が二糖類の場合よりも数多く結合してできているものである。多糖類にあてはまるものには、グリコーゲン、デンプンなどがある。

 

 

糖質の作用
糖質には、さまざまな作用がある。

 

・エネルギー源、貯蔵
体内に入った糖質は、1gにつき4kcalのエネルギー源になる。

 

体内に取り入れられた糖質は、グリコーゲンに変わって筋肉や肝臓に蓄えられる。筋肉がグリコーゲンを蓄えられる量は、約250gまでである。また、肝臓がグリコーゲンを蓄えられる量は、約100gまでとなっている。

 

糖質を摂りすぎて、筋肉や肝臓で蓄えられなかったものは、脂肪組織で中性脂肪(トリグリセリド)となって、蓄えられる。

 

・組織における糖質代謝
糖質代謝を行う組織には、筋肉、脂肪組織、脳、肝臓などがある。これらの組織で行われる糖質代謝は、命を保つの不可欠なものとなっている。

 

・血糖値の維持
血液に含まれているグルコースのことを血糖という。また、血糖の濃度のことを血糖値という。

 

正常な血糖値の場合、空腹の状態では70~110mg/dlあたりになっており、食後では120~130mg/dlあたりまで一時的に上がる。食後2時間ほど経過すると、上がった血糖値は、空腹の状態と同じところまで下がる。

 

ホルモンには、血糖値を上げるものと下げるものとがある。それらのホルモンの働きで、血糖値が調節されることになる。

 

血糖値を上げるホルモンには、グルカゴン成長ホルモン副腎皮質ホルモンアドレナリンノルアドレナリンがある。

 

これらのホルモンの働きには、肝臓でのグリコーゲンの分解や、食事を行ったときに血糖値を上げるなどがある。このようにして、血糖値が上げられる。

 

逆に、血糖値を下げるホルモンとして、インスリンがある。インスリンの働きには、グリコーゲンの分解の抑制などがある。このようにして、血糖値が下げられる。

 

また、糖尿病は、血糖値が決まった範囲内を上回った場合に診断される。

 

 糖質と他の栄養素や補酵素との関係
糖質は、アミノ基転移反応を受けることで、糖原性アミノ酸となる。糖原性アミノ酸は、体内で糖質をつくる糖新生を行なう際の材料として使われる。

 

また、糖質からエネルギー代謝を行う場合、その代謝の過程に不可欠なものとして、ビタミンB群に含まれるビタミンB1・B₂、パントテン酸、ナイアシンなどの補酵素があげられる。