背部・胸部の筋 − 健康と医療の情報局

 

背部・胸部の筋

 

背部の筋
背部の筋には、浅背部の筋群深背部の筋群がある。浅背部の筋群は、上腕と肩甲骨を運動させる。深背部の筋群は、脊柱を立たせる役割がある。

 

 浅背部の筋群
浅背部の筋群には、僧帽筋広背筋菱形筋肩甲挙筋がある。菱形筋と肩甲挙筋は、僧帽筋の奥にある

 

・僧帽筋
僧帽筋は、頸椎と胸椎の棘突起と後頭骨からそれぞれ起始し、鎖骨と肩甲骨にある肩峰と肩甲棘でそれぞれ停止する。肩甲骨の回転運動や上下運動を行う。僧帽筋を支配する神経は、副神経である。

 

・広背筋
広背筋は、下位の胸椎と腰椎、腸骨稜からそれぞれ起始し、上腕骨の上部にある小結節稜で停止する。上腕の内旋と内転を行う。広背筋を支配する神経は、腕神経叢である。

 

・菱形筋、肩甲挙筋
菱形筋と肩甲挙筋は脊柱から起始し、肩甲骨で停止する。それぞれ、肩甲骨を上方の内側の方向に引っぱる。また、前鋸筋と拮抗筋の関係になっている。菱形筋と肩甲挙筋を支配する神経は、腕神経叢である。

 

 深背部の筋群
深背部の筋群には、脊柱を起立させる筋がある。

 

・脊柱起立筋の群
脊柱起立筋の群には、最長筋板状筋多裂筋棘筋半棘筋などが存在する。頭蓋、胸郭、脊柱の背後の面で停止する筋であり、脊柱の起立を行う。脊柱起立筋の群を支配する神経は、脊髄神経の後枝である。

 

胸部の筋
胸部の筋には、浅胸部の筋群深胸部の筋群横隔膜が含まれる。腺胸部の筋群は、上肢帯と上腕の運動を行う。深胸部の筋群は、呼吸運動を担当している。横隔膜は、腹腔と胸腔の間に存在する。

 

 浅胸部の筋群
浅胸部の筋群には、大胸筋小胸筋前鋸筋がある。浅胸部の筋群すべてを支配する神経は、腕神経叢の枝である。

 

・大胸筋
大胸筋は、胸部の前方のうち、肺が位置する部分に存在する筋である。胸骨、前胸壁、鎖骨から起始し、上腕骨の大結節稜で停止する。上腕の内転、内旋を行う。また、上腕を前方挙上させる。

 

・小胸筋
小胸筋は、大胸筋の奥にある筋である。第2〜5肋骨で起始し、肩甲骨の烏口突起で停止する。肩甲骨を前方の下方向に引く役割をもつ。

 

・前鋸筋
前鋸筋は、第1〜9肋骨から起始し、肩甲骨の奥を通る。そして、肩甲骨の内側の縁で停止する。肩甲骨を下方の外側の方向に引く役割をもつ。菱形筋・肩甲挙筋とそれぞれ拮抗筋の関係になっている。

 

 深胸部の筋群
深胸部の筋群のおもな筋には、内肋間筋外肋間筋がある。他にも胸横筋という筋が、胸骨の内側の面に存在する。深胸部の筋群は呼吸運動するための筋であり、すべて肋間神経に支配される。

 

・内肋間筋
内肋間筋は、外肋間筋の奥にある。それぞれの肋骨同士の間で、下方の後方から前方の上方に通っている。肋骨を下方向に下げる(下制する)役割をもち、それによって肺の空気を外に出す(呼息)。

 

・外肋間筋
外肋間筋は、内肋間筋の外側にある。それぞれの肋骨同士の間で、上方の後方から下方の前方に通っている。肋骨を挙上する役割をもち、それによって肺に空気を送る(吸息)。

 

 横隔膜
横隔膜は、胸腔と腹腔との境目をおおっている膜状の筋であり、その真ん中には腱中心という結合組織がある。胸骨、腰椎の前面、肋骨弓の内側のまわりを含む胸腹壁から起始し、腱中心で停止する。横隔神経は、頸神経叢から出ている。

 

横隔膜は、収縮することで下に下がり、それによって肺へ空気を送る(吸息)。横隔膜を支配する神経は、横隔神経である。

 

横隔膜には、食道裂孔、大動脈孔、大静脈孔という3つの孔がある。食道裂孔は、食道と迷走神経を通している。大動脈裂孔は、胸管と大動脈を通しており、大静脈孔は、下大静脈を通している。