皮膚の構造・付属器 − 健康と医療の情報局

 

皮膚の構造・付属器

 

皮膚
皮膚は、数mmほどの厚さをもち、体全体をおおっている被膜である。

 

皮膚には、次のようなはたらきがある。

 

 ・体の外の影響から、体の内側を守る

 

 ・体の外の情報を感知する

 

 ・余分な水分や物質を、汗として排出する

 

 ・血流の調節や発汗を行うことで、体温の調節を行う

 

 皮膚の組織構造
皮膚は、外側にあるものから順に、表皮真皮皮下組織の3つの層に分けられる。また、皮膚の本体とは、表皮と真皮の2つを合わせたものを指す。

 

・表皮
表皮は、重層扁平上皮になっている層である。

 

表皮の一番深い層で細胞分裂が行われ、上皮細胞がつくられる。表皮の上皮細胞は、タンパク質のケラチンがたまることで細胞が硬くなる角化をおこす。

 

上皮細胞は皮膚の表面に上りつつ角化していく。表面にたどり着いた上皮細胞は、垢となって剥がれ落ちる。

 

上皮細胞の層は、一番内側の深い層から順に基底層有棘層顆粒層淡明層角質層の5つが存在する。これらのうち、基底層は、皮膚の色を構成するメラニンをつくるメラニン細胞をもつ。

 

表皮の中には、血管が通っていない。

 

・真皮
真皮は、線維性結合組織からなる丈夫な層である。真皮によって、皮膚の本体が丈夫さをもっている。

 

真皮の細胞外基質は、膠原線維をおもな成分とし、さらに弾性線維もわずかに含んでいる。真皮がもつ細胞成分には、生体を守るのに重要な肥満細胞、大食細胞、形質細胞、コラーゲンを生成する線維芽細胞などが存在する。

 

真皮から表皮に向かって乳頭が形成され、神経終末や毛細血管が入り込んだ場所となる。真皮の一番奥の層と浅い層には、血管が網状に通っている。

 

・皮下組織
皮下組織は、疎性結合組織からなる層である。皮下組織では、脂肪細胞が集まって集団を形成している。これらの脂肪細胞には、外からの力をやわらげるクッション(緩衝材)としての役割や、体温の低下を防ぐ役割がある。

 

皮下組織は、自身より上の層(皮膚)と下の層(筋・骨格)とをゆるやかに結合させている。これにより、体の運動が皮膚に邪魔されないようにしている。

 

 皮膚の神経と血管
皮膚に存在する神経と血管は、どちらも筋肉にあるすきまを抜けて皮下組織に広がっている。

 

・皮膚の神経
皮膚には、数多くの知覚神経が広く存在しており、それらによって、温度や痛みなどを感じ取ることができる。皮膚の神経の一部は自律神経であり、汗腺、血管壁、立毛筋に広く存在する。

 

皮膚に存在する知覚神経には、真皮や皮下組織で終末部分を形成しているものが多い。

 

真皮の乳頭の中には、触覚を感じ取るマイスネル小体、痛みを感じ取る自由神経終末が含まれている。皮膚組織には、圧力を感じ取るファーテル・パチニ小体が存在する。

 

・皮膚の血管
皮膚に存在する血管は、体内の熱を外に出すはたらきをもつ。皮膚の血管を流れる血液の量は、心拍出量のうちの約5%に相当する。皮膚の血流量は、身体の外の気温によって約20倍も変動する。

 

真皮の中では、体の深部から皮膚に入った動脈によって、血管の網が広がっている。その血管の網から血管が枝分かれし、皮下組織の汗腺や毛包、真皮の乳頭に血液を流す。

 

また、皮膚が長時間圧迫され続けると、血流が減って皮膚が壊死してしまう場合がある。

 

 皮膚の付属器
皮膚には、皮膚腺などの付属器が存在する。

 

・毛
毛はほとんどの皮膚の表面に存在する。毛には、体温を保つことや皮膚を守ることに役立つ。

 

毛は、表皮の細胞が変化して形成されたものである。皮膚の一部にくぼみができ、そこに沈んだ表皮が毛となって外に向かってのびる。毛の色は、皮膚のメラニン顆粒によって黒くなる。

 

毛の表面は、うろこ状の薄い層である毛小皮がみられる。毛根の断面は、髄質と皮質がはっきりと分かれている。

 

毛根は、皮膚の内側で毛包によっておおわれている。毛包は、表皮側に向かう上皮性毛包と、まわりをおおう結合組織性毛包で構成される。毛包の奥から毛包に向かって、毛乳頭が入り込んでいる。その毛乳頭は、上皮細胞の集まりである毛母基によっておおわれている。毛の発育は、毛母基が分裂することでおこる。

 

・爪
爪は、毛と同じく表皮の細胞が変化してつくられたものである。指背の末端部分にある表皮の先端が分化して、爪が形成されている。

 

爪のうち、外側に露出している部分を爪体といい、内側にあって爪をつくるものを爪根という。また、爪体の下にある皮膚を爪床という。

 

・皮膚腺
皮膚には、脂腺汗腺乳腺の3つが存在する。

 

 ・脂腺
脂腺は、脂質を分泌する腺である。脂腺から分泌される脂質によって、毛や皮膚の表面がなめらかになる。

 

 ・汗腺
汗腺は、汗を分泌する腺である。汗腺の終末部は皮下組織や真皮の奥で、糸玉のようにまとまっている。汗腺そのものは細長い管になっており、表皮の外側に開口する。

 

汗腺には、大部分の皮膚にあるエクリン汗腺(小汗腺)、腋の下(腋窩:えきか)などにあるアポクリン汗腺(大汗腺)の2つが存在する。

 

エクリン汗腺は、水分の割合が多い汗を出す。アポクリン汗腺は、タンパク質や脂肪の割合が多い汗を出す。

 

 ・乳腺
乳腺は、母乳を分泌する腺であり、変化したアポクリン汗腺であるとされる。