上肢の骨格 − 健康と医療の情報局

 

上肢の骨格

 

上肢帯の骨格
上肢帯の骨格は、鎖骨肩甲骨によって構成される。

 

 鎖骨
鎖骨は、ゆるいS字状に曲がっている。胸骨端によって、体幹と上肢の骨格をつなぐ胸鎖関節が構成されている。胸鎖関節は、体幹と上肢の骨格をつなぐ唯一の関節である。鎖骨の運動は、胸鎖関節を支点としている。

 

鎖骨にある胸骨端以外の骨端は、肩甲骨にある肩峰とつながっている。この部分が肩鎖関節となる。肩鎖関節には、肩甲骨の運動を制御する役割がある。

 

 肩甲骨
肩甲骨は、平たい骨になっており(扁平骨)、逆三角形の形をしている。第2〜7の肋骨の位置に肩甲骨が存在する。

 

肩甲骨には、上肢帯筋という筋肉が多く付いており、それらによって上肢の運動や姿勢が支えられる。肩甲骨の外側の角には、関節窩(かんせつか)がある。肩甲骨の背面にはふくらみがあり、これを肩甲棘(けんこうきょく)という。

 

肩甲骨の外側には、肩峰という突き出ている場所がある。肩甲骨の前方部分からは突起が出ており、これを烏口突起という。烏口突起と肩峰が靱帯を介して結合しており、肩関節を守っている。

 

 肩関節
肩関節は、球関節になっており、多軸性の関節でもある。肩関節の関節窩は小さめである。関節窩の周りの縁は、線維軟骨性の関節唇(かんせつしん)によって広がっている。

 

自由上肢の骨格

 

 上腕骨
上腕骨は、30cmほどの長さをもつ長骨である。上腕骨での体の中心に近い方向の端(近位端)には、関節面を上に向けた上腕骨頭、関節面を前に向けた小結節、関節面を外側に向けた大結節がそれぞれ存在する。

 

小結節では、上腕骨の内旋を行う肩甲下筋が停止する。大結節では、上腕骨の外旋を行う筋が停止する。また、上腕骨頭と小結節、上腕骨頭と大結節のそれぞれの間には、解剖頸がある。

 

上腕骨での体の中心に遠い方向の端(遠位端)を上腕骨顆という。上腕骨顆には、上腕骨小頭上腕骨滑車という構造が存在する。

 

・肘関節
肘関節は3つの骨が組み合わさってできている。上腕と橈骨、上腕と尺骨、橈骨と尺骨がそれぞれつながっている。また、上腕骨に対して屈伸運動をすることができる(単軸性)。

 

 前腕の骨と関節

 

・尺骨
尺骨の上端には大きな切痕(せつこん)があり、それが上腕骨滑車とつながる。

 

尺骨の上端の切痕の下側には、鈎状(こうじょう)突起が出ている。鈎状突起の外側には小さな切痕がある。その切痕で上橈尺関節がつくられる。

 

尺骨の上端の後ろ側には肘頭がある。肘頭は、上腕三頭筋の腱が停止する場所になる。尺骨の下側には、下橈尺関節をつくる関節面をもつ尺骨頭がある。尺骨の下側の、小指がある方向に茎状突起が出ている。

 

・橈骨(とうこつ)
橈骨の上端には橈骨頭があり、それによって上腕骨小頭、尺骨とそれぞれつながる。橈骨頭から下端側にわずかに向かったところに橈骨頸がある。橈骨頸の内側にある橈骨粗面は、上腕二頭筋の腱の停止場所になる。

 

橈骨の遠位端には、母指がある方向に茎状突起が出ている。また、小指がある方向に尺骨頭とつながる切痕があり、その下側に手根関節面が存在する。

 

手の骨とその関節

 

・手根骨
手根骨は、8つの短い骨(短骨)が2つの列をつくって並んでいる。手根骨での体の中心に近い位置の列(近位列)には、小指側から順番で、豆状骨三角骨月状骨舟状骨と並んで存在する。

 

手根骨での体の中心に遠い位置の列(遠位列)には、小指側から順番で、有鈎骨有頭骨小菱形骨大菱形骨と並んで存在する。

 

・手根の関節
手根の関節には、橈骨手根関節手根間関節がある。

 

 ・橈骨手根関節
橈骨手根関節は、手首の左右の方向への外転運動と、手首の屈伸運動を行う(2軸性)。手首の近位列の骨によって、橈骨手根関節の関節頭が構成されている。

 

 ・手根間関節
手根間関節は、手首の近位列と遠位列の間のにある。手根間関節には、S状に曲がっている間節腔という空間がある。手根間関節は手の屈伸運動に関わっている。

 

・中手骨、手根中手関節
中手骨は、手のひらの中心的なものとなっている。親指がある方向から順に、第1〜5の中手骨が存在する。

 

第1の中手骨と大菱形骨の間には、鞍関節がつくられる(多軸性)。第2〜5中手骨の遠位端(中手骨底)と遠位列の手根の間には、ほとんど動かない関節である半関節がつくられる。第2〜5中手骨底の相互間でも、半関節がつくられる。

 

・指骨
指骨のうち、親指以外の骨は、基節骨中節骨末節骨で構成される。親指には、基節骨と末節骨のみで構成される。

 

指骨と中手骨の間にある指節間関節は、そのすべてが指の屈伸運動を行う蝶番関節である(単軸性)。中手指節関節は、屈伸運動と指の開閉運動の2つの運動が可能である(2軸性)。