中間代謝、糖質の代謝

中間代謝
体に入った栄養素は、体内でさまざまな反応を受ける。それらの結果、それぞれの栄養素が最終産物へと変わる。体内に入った物質が、最終産物となるまでに行われる反応のことを、中間代謝という。

 

糖質の代謝
消化された糖質は、グルコースなどの単糖になる。つくられた単糖は、小腸で吸収されて血液に送られる。そして、門脈に入って肝臓へと移動する。

 

肝臓の中に入ったグルコースは、脂肪やグリコーゲンへと変わる。一部のグルコースは、肝臓にとどまらず、血液に含まれるグルコースである血糖となる。そして、血流にのって体中を循環する。

 

血糖は、血液からさまざまな細胞に送られてエネルギー源となる。また、筋肉に入ってグリコーゲンに変えられる。

 

 血糖とグリコーゲン
血液に存在するグルコース(血糖)が、運動などで減った場合、肝臓に溜め込まれているグリコーゲンがグルコースへと変わる。そして、そのグルコースは血液に補給される。

 

血糖の量は、100ミリリットルの血液につき約100mg(約0.1%)含まれている状態に維持されている。

 

体内に存在するグルコースとグリコーゲンの酸化によって得られるエネルギー量の合計は、1日に必要なエネルギー量とほぼ同じである。その数値は、約1.500キロカロリーとなっている。

 

成人の場合、体内に存在するグルコースの合計は約17gとされている。また、同じく成人の場合で、肝臓に含まれるグリコーゲンの量は約100gとされ、筋肉に含まれるグリコーゲンの量は約250gとされている。

 

 解糖系
短距離走などのように、急に激しい運動を行う場合には、体内の酸素が十分でない。

 

体内の酸素が十分でないときに、グルコースかグリコーゲンがエネルギー源として使われる場合、酸化を含まない分解の反応が生じる。そして、その反応の最終産物として乳酸がつくられる。

 

この反応のことを嫌気的解糖(解糖)という。また、解糖の反応1つを、それぞれ解糖反応という。そして、それぞれの解糖反応すべてをまとめて解糖系という。

 

それぞれの解糖反応は、さまざまな酵素の作用によって進行する。また、嫌気的解糖によって乳酸が体に溜まると、筋肉が疲労したり、筋肉痛が起こったりする。

 

 クエン酸回路(TCA回路)
体内の酸素が十分である場合、グルコースやグリコーゲンが酸化される。そして、水と二酸化炭素へと変わる。

 

この場合、ピルビン酸までは、嫌気性解糖と同じ反応が進められる。しかし、酸素が供給されることでピルビン酸が酸化され、水と二酸化炭素を生じる。

 

ピルビン酸が酸化するこの反応経路を、クエン酸回路(TCA回路)という。また、クエン酸回路によるグルコースの代謝のことを好気的解糖ともいう。

 

この反応で得られるATP(アデノシン三リン酸)とエネルギーは、解糖に比べてかなり多い。また、クエン酸回路に入るのは、糖質だけでなく脂肪酸や大部分のアミノ酸も入る。

 

また、糖質代謝の調節には、さまざまなホルモンが関与している。