内臓感覚、味覚、嗅覚、選択的疲労 − 健康と医療の情報局

 

内臓感覚、味覚、嗅覚、選択的疲労

 

内臓感覚
内臓には、神経の受容器(自由神経終末)が存在する。それらによって、痛みなどを感じ取ることができる。内臓での痛みの原因になるものは、その内臓によってさまざまである。

 

 頭痛
血管の炎症により発痛物質が血管の周りに溜まった場合や、血管での異常な拡張によって拍動が増えた場合、頭痛が現れることがある。

 

体の組織が傷つけられたり、炎症を起こしたりした場合、その刺激によって内因性の発痛物質がつくられる。この発痛物質にあてはまるとして、ヒスタミンセロトニンブラジキニンなどがあげられる。

 

 便意での痛み
便意が起こったときに、痛みを感じる場合がある。これは、直腸の壁やS状結腸にある平滑筋が収縮を起こすことで発生する痛みである。

 

 膨満感
食べ物などに含まれていた二酸化炭素などのガスが、胃や腸の粘膜に刺激を与えた場合や、食べ物の残りが胃や腸に多く溜め込まれた場合、膨満感が引き起こされる。

 

 

味覚
食べ物を食べたときなどで生じる味の感覚のことを、味覚という。味覚には、甘味酸味塩味苦味などがある。これらの味覚は、基本味に含まれている。そして、それぞれの味覚に対する感受性は、舌の場所によって違う。

 

それぞれの味覚を担当する舌の場所のうち、主なものを以下に示す。

 

 ・甘味を担当する場所 : 舌先

 

 ・酸味を担当する場所 : 舌の側縁

 

 ・塩味を担当する場所 : 舌尖、舌の側縁

 

 ・苦味を担当する場所 : 舌根

 

・舌がもつ味覚の分布図

味覚には個人ごとに差がある。また、現在の体調によっても感受性が異なる。

 

 味孔、味蕾
舌の表面には味孔という孔がある。味孔の内部には、味蕾という受容器が存在する。

 

・味細胞
味蕾の中には、味覚の刺激を伝える味細胞が含まれている。

 

食事のとき、食べ物に含まれている成分が、唾液などに溶けて味孔に入り込む。味孔から味蕾に、食べ物に含まれていた成分が到達すると、味細胞が刺激される。

 

 

嗅覚
においの感覚のことを嗅覚という。味覚と同じく、嗅覚の感受性も個人ごとに差がある。

 

上鼻甲介から鼻中隔の上部までの鼻腔上部の粘膜上皮のことを嗅上皮という。嗅上皮の中には、嗅細胞の受容体が存在する。

 

嗅細胞の受容体に、鼻腔に入ったガスや粒子などの物質が結びついた場合、それが刺激となり、嗅覚を知覚できる。

 

嗅覚は、視床を通らずに旧皮質につながっている。また、食べ物のにおいをかいだときに、唾液の分泌が反射的に行われる。

 

・くさみ(臭気)
不快に感じるにおいのことを、くさみ(臭気)という。

 

 嗅細胞の順応
においをかぎ続けていると、すぐにそのにおいを感じなくなる。これが、嗅細胞の順応である。嗅覚の場合、順応するのがとても早い。

 

 嗅覚の選択的疲労
1つのにおいを感じているときに別のにおいが発生した場合、そちらのにおいをより敏感に感じ取ることがある。これが嗅覚の選択的疲労である。

 

 嗅覚の異常
鼻の粘膜が炎症を起こした場合、嗅覚を感じにくくなる。また、嗅索の腫瘍などの疾患の場合、片方の嗅覚が失われる。