発声、運動中の酸素摂取

発声
気管にある空気が、声門をすばやく通過することで、声帯に振動が起きて声が出る。このようにして、発声が行われる。

 

安静時に呼吸する場合では、声門の形は、前方が閉じて後方が開くV字型となる。深呼吸をする場合には、声門は円形に大きく広がる。

 

高音を出す場合、左右の声帯が近づいて声門はわずかに開く形となる。また、声帯そのものが強めに緊張する。

 

女性や小児の声が高めなのは、声帯が短くて細いことで、声帯の振動数が多くなるからである。成人男性の声が低めなのは、声帯が太いことにより、声帯の振動数が少なめになるからである。

 

 

運動中の酸素摂取
運動をしているとき、必要な酸素の量が増える。そして、エネルギーの消費量も増加する。成人の場合、安静時に消費する酸素の量は、毎分200~300ミリリットルとなっている。

 

必要とされる酸素の量を、酸素需要量という。激しい運動をするほど、体の組織の酸素需要量が増える。すると、酸素摂取量を増やそうとして、呼吸運動が強くなる。

 

酸素需要量と酸素摂取量とが等しくなった状態を、定常状態という。運動を始めた直後などでは、定常状態になる前である。このとき、酸素需要量は酸素摂取量よりも多くなっている。

 

上記の場合、必要な酸素を補えない酸素負債の状態で運動を行うことになる。そして、運動が終わった後、足りなかった分の酸素まで供給されて回復する。

 

運動をやめてもしばらく激しい呼吸が続くのは、酸素を取り込んで回復しようと、より活発に呼吸活動が行われるためである。

 

運動を始めてから、少しずつ運動負荷をかけていき、同時に酸素摂取量を増やしていくと、酸素摂取量の増加がみられなくなる点がみつかる。その点に到達した酸素摂取量を、最大酸素摂取量という。

 

最大酸素摂取量は、トレーニングを行うことでさらに増やすことが可能である。最大酸素摂取量が増えることで、血液循環が良くなる。また、効率よく呼吸が行われるようになる。