ACTH、LH、FSH、プロラクチン

副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)は、刺激を副腎皮質に与えて、副腎皮質ホルモンの分泌を促す。このホルモンの生理作用は、副腎皮質ホルモンを介すことで働く。そのなかの主な働きを、以下に示す。

 

 ・塩分と水の代謝をそれぞれわずかに調節する

 

 ・タンパク質を分解して糖をつくる

 

 ・男性ホルモンの働きを起こさせる

 

 副腎皮質刺激ホルモンの分泌調節
副腎皮質ホルモンの血中濃度により、副腎皮質刺激ホルモンの分泌の調節が行われる。

 

副腎皮質ホルモンが少ない場合、副腎皮質刺激ホルモンの分泌が増やされる。逆に、副腎皮質ホルモンが多い場合、副腎皮質刺激ホルモンの分泌が下がる。

 

この作用には、下垂体に副腎皮質ホルモンが直接作用する場合と、副腎皮質ホルモンと下垂体との間に視床下部を介して作用する場合とがある。

 

また、精神的、もしくは身体的なストレスを受けることで、副腎皮質刺激ホルモンの分泌が増える。

 

ストレスが生じた場合、より多くの副腎皮質ホルモン放出ホルモンが視床下部から放出される。このことが下垂体前葉に影響を与え、副腎皮質刺激ホルモンの分泌が促進される。

 

 

性腺刺激ホルモン
性腺刺激ホルモンには、黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の2つがある。女性の場合、卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンはそれぞれ次のように働く。

 

 黄体形成ホルモン(LH)
黄体形成ホルモンは、卵胞の成熟を促進させる。それにより、排卵や黄体の形成が促される。

 

 卵胞刺激ホルモン(FSH)
卵胞刺激ホルモンは、卵胞の発育に刺激を与える。

 

 男性の性腺刺激ホルモン
男性の場合、黄体形成ホルモンのことを間質細胞刺激ホルモンともいい、どちらも同じホルモンである。また、卵胞刺激ホルモンのことを精子形成ホルモンともいい、どちらも同じホルモンである。

 

間質細胞刺激ホルモンと精子形成ホルモンは、それぞれ以下のように働く。

 

・間質細胞刺激ホルモン
精巣の間質細胞に間質細胞刺激ホルモンが作用すると、男性ホルモンの分泌が促進される。

 

・精子形成ホルモン
精子形成ホルモンは、精巣の精細管にある精細胞の分裂と発育を促す。そして、精子の形成を促す。

 

 性腺刺激ホルモンの分泌調節
視床下部ホルモンである性腺刺激ホルモン放出ホルモンの作用によって、性腺刺激ホルモンの分泌が促される。

 

このとき、血液に含まれる性腺刺激ホルモンの濃度は、血液内の性腺ホルモンによる視床下部と下垂体への負のフィードバック作用によって、正常な範囲内に維持される。

 

 

プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)
プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)は、乳汁の生成と分泌を促進させる働きをもつ。

 

女性ホルモンには、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2つがある。これらの2つのホルモンの働きで、乳腺の発育が促される。

 

上記の2つの女性ホルモンは、乳腺にプロラクチンが作用することを抑える働きがある。