上皮小体(副甲状腺)、ランゲルハンス島(膵島)・血糖の調節 − 健康と医療の情報局

 

上皮小体(副甲状腺)、ランゲルハンス島(膵島)・血糖の調節

 

上皮小体(副甲状腺)
上皮小体(副甲状腺)は、米粒ほどの小さな内分泌腺である。一般的には、甲状腺の左右両葉の後面に2つずつの、合計4つの上皮小体が存在する。

 

 上皮小体ホルモン(副甲状腺ホルモン、パラソルモン、PTH)
上皮小体で分泌されるホルモンのことを、上皮小体ホルモン(副甲状腺ホルモン)という。パラソルモン(PTH)ともいわれる。上皮小体ホルモンには、以下のような働きがある。

 

・腎臓でのカルシウムの再吸収を促して、血液に含まれるカルシウムの量を増やす。

 

骨吸収を促して、より多くのカルシウムを骨から吸収する。

 

 ※骨吸収 … 破骨細胞の働きで骨が壊され、その成分が吸収されること

 

・カルシウム濃度とリンの濃度の関係
血液中のカルシウム濃度が上がると、血液中のリンの濃度が下がる。逆に、カルシウム濃度が下がると、リンの濃度が上がる。

 

これにより、上皮小体ホルモンは、血液中のカルシウム濃度の調節だけでなく、血液中のリンの濃度の調節にも関係する。

 

 上皮小体機能亢進症(副甲状腺機能亢進症)
上皮小体に何らかの異常が起き、上皮小体ホルモンが過剰に産生される状態を上皮小体機能亢進症(副甲状腺機能亢進症)という。

 

上皮小体機能亢進症では、必要以上に骨吸収が行われる。それにより、血清のカルシウム濃度が上がる。その結果、尿に排出されるカルシウムが増えて、腎結石を起こす場合がある。その一方で、骨が弱くなるため、骨折を起こしやすくなる。

 

 テタニー
上皮小体ホルモンが足りなくなる場合、血清に含まれるカルシウムの量が大きく減少する。それにより、筋や運動神経などの興奮が亢進される。その結果、筋肉がけいれんする。こうした筋肉のけいれんのことを、テタニーという。

 

 

ランゲルハンス島(膵島)
膵臓の中に存在する、ホルモンの分泌を行う部分がランゲルハンス島(膵島)である。

 

ランゲルハンス島を構成する細胞には、α細胞(A細胞)、β細胞(B細胞)、δ細胞(デルタ細胞、D細胞)などがある。α細胞はグルカゴン、β細胞はインスリン、δ細胞(デルタ細胞)はソマトスタチンをそれぞれ分泌する。

 

 グルカゴン
グルカゴンは、29個のアミノ酸で構成されるペプチドホルモンである。ランゲルハンス島のα細胞から分泌される。グルカゴンは、肝臓におけるグリコーゲンの分解を促させ、血糖を上げる働きをもつ。

 

 インスリン
インスリンは、21個のアミノ酸で構成されるA鎖と、30個のアミノ酸で構成されるB鎖が結合したものである。ランゲルハンス島のβ細胞から分泌される。

 

インスリンが作用するのは、主に肝臓、筋肉、脂肪組織などである。また、インスリンの作用には、主に以下のようなものがある。

 

 ・タンパク質の生成を促す

 

 ・グルコースを酸化させる

 

 ・グルコースを脂肪に変える

 

 ・血液に含まれるグルコースを、筋などの細胞に取り入れさせる。

 

 ・グルコースからグリコーゲンをつくる

 

さまざまなホルモンの作用や血糖値によって、インスリンの分泌が調節される。また、上記で解説したグルカゴンも、インスリンの分泌を促進する働きをもつ。

 

 ソマトスタチン
ソマトスタチンは、ランゲルハンス島のδ細胞(デルタ細胞)から分泌されるホルモンである。グルカゴンとインスリンの分泌を抑える働きをもつ。

 

 血糖の調節
血液に含まれているグルコースのことを、血糖という。正常に保たれているときの血糖の濃度は、約100mg/デシリットルである。

 

グルカゴン、アドレナリン、アセチルコリン、糖質コルチコイドなどは血糖を高める働きをもつ。一方、インスリンやグルコースには血糖を下げる働きをもつ。これらのバランスによって、血糖が正常な値に保たれている。