全か無の法則、反射経路、神経線維 − 健康と医療の情報局

 

全か無の法則、反射経路、神経線維

 

全か無の法則・閾値(いきち)
1つの神経線維が刺激された場合、その刺激に神経線維が反応するほどの強さがなければ、刺激を受けた神経線維は反応せず、興奮も起こらない。

 

逆に、その刺激の強さが、神経線維が反応するほどの十分な強さがある場合には、神経線維が反応して興奮が起こる。そこからさらに、刺激が強くなったとしても、神経繊維の反応までは強くならない。

 

このように、1つの刺激に対して、反応するかしないかの選択だけがみられる法則を、全か無の法則という。また、反応を起こさせるために、最低限必要となる刺激の強さのことを、閾値(いきち)という。

 

・不応期
興奮した後の神経線維では、刺激を受けても興奮しない期間ができる。この期間のことを、不応期という。この場合、不応期の長さは約1ミリ秒(約1/1000秒)である。

 

 

反射、反射経路(反射弓)
何かに触れたときなどの刺激が、特定の「求心性神経(知覚神経)に与えられたとする。すると、感覚器によってその刺激が受け取られる。その結果、興奮が発生する。

 

興奮が発生すると、その興奮は脊髄などの「中枢神経」に伝わる。そこから、その中枢神経のところでシナプス結合でつながっている「遠心性(運動性)のニューロン」に、興奮が伝えられる。

 

さらに、そのニューロンによって支配されている筋などの器官に、興奮が伝わる。その結果、その器官が反応を起こす。このことを、反射という。反射は、求心路反射の中枢遠心路の3つで構成されている。

 

そして、上記のように、求心路反射の中枢遠心路の3つによる一連の経路のことを、反射経路(反射弓)という。また、反射には、単シナプス反射多シナプス反射がある。

 

・単シナプス反射
反射のうち、その反射経路の中枢に1つのシナプス結合だけがあるものを、単シナプス反射という。膝蓋腱反射などの深部反射が、単シナプス反射にあてはまる。

 

・多シナプス反射
反射経路に、複数のシナプスがある場合の反射のことを、多シナプス反射という。単シナプス反射よりも多シナプス反射の方が、反射時間が長くなる。また、腹壁反射などの表在反射が、多シナプス反射にあてはまる。

 

 ※表在反射 … 皮膚や粘膜などが刺激されることで起こる反射のこと

 

 

神経線維

 

 神経線維の種類
神経線維は、直径や伝導速度の違いによって、A線維B線維C線維の3種類に分けられる。それぞれの神経線維の特徴を、以下に示す。

 

 A線維 … 線維の直径:2〜20μm 伝導速度:12〜120m/秒

 

 B線維 … 線維の直径:1〜3μm 伝導速度:3〜15m/秒

 

 C線維 … 線維の直径:0.5〜1.0μm 伝導速度:0.5〜2.0m/秒

 

また、A線維は、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)の4つの群に分けられる。

 

 神経線維の性質の違い

 

・伝導速度
線維が太い神経であるほど、伝導速度が速くなる。また、無髄神経よりも有髄神経の方が、伝導速度が速い。

 

・興奮性
太い神経線維であるほど、興奮性が大きくなる。太い線維と細い線維との混合神経が刺激を受けた場合、興奮は太い線維だけに起こる。そこから刺激が強くなると、興奮は細い線維にも起こるようになる。

 

神経による物質代謝
体の細胞と同じく、神経が作用する場合や神経が生きていく場合にも、酸素や栄養素が消費され、水や二酸化炭素などの代謝産物がつくられる。

 

脳では、1日あたり120gほどのグルコースを消費する。また、飢餓(きが)の状態では、アセチルCoAからつくられるケトン体が、脳における主なエネルギーとなる。

 

また、脳に送られる血流の量は、1分間あたりで約750ミリリットルにも及ぶ。