大脳皮質の中枢、機能局在 − 健康と医療の情報局

 

大脳皮質の中枢、機能局在

 

大脳皮質の中枢

 

 機能局在
大脳皮質では、その部分ごとに担当するもの(感覚や運動など)が、それぞれ決まっている。このことを、機能の局在という。

 

脳の左半球は、体の右側の運動と感覚を担当しており、脳の右半球は、体の左側の運動と感覚を担当している。

 

 優位半球
脳の左半球と右半球とでは、空間の認識や言語に差がある。通常であれば、言語中枢は、左半球に存在する。左半球か右半球のうち、言語中枢をもつ方を優位半球という。優位半球は、言語などを担当している。

 

優位半球が傷害されると、失語や右側の麻痺などが引き起こされる。さらに、落ち込みやすい性格になる。

 

 劣位半球
言語中枢をもつ優位半球に対して、言語中枢をもたない方を劣位半球という。

 

劣位半球が傷害されると、左側の空間無視や、左側の麻痺がなどが引き起こされる。また、自身に起こっている障害を軽く考えたり、認めなかったりする場合があり、多幸的な性格になりやすい。

 

 ※多幸的 … 幸福感や爽快感などを強く感じること

 

 運動野
前頭葉の後端の場所のうち、中心溝の前方の部分には中心前回がある。この中心前回の部分に運動野がある。また、運動野のことを、ブロードマンの第4野と呼ぶ場合もある。

 

運動野には、体幹、上肢、頭部のそれぞれの運動を担当する中枢が含まれている。それらの中枢は、上部から下部に向かって、体幹の担当、上肢の担当、頭部の担当の順番で並んで存在している。

 

脳の半球の内側の面には、下肢を担当する皮質運動中枢が存在する。

 

 体性感覚野
前頭葉の前方で、中心溝の後ろ側の部分には、中心後回がある。この中心後回の部分に体性感覚野が存在する。体性感覚野から中心溝の向こう側には、運動野が存在している。

 

体性感覚野に存在する中枢には、温度の感覚、深部感覚、痛みの感覚、触覚などを担当するものがある。

 

 ※深部感覚 … 筋、腱、関節などから伝わる振動覚、位置覚、関節での運動覚などの感覚のこと

 

体性感覚野にある中枢は、頭の上部から下側に向かって、体幹、上肢、頭部の順番で担当する場所が決定している。

 

 視覚野
後頭葉の内側の部分に、視覚野が存在する。

 

・第一次視覚野
視床の後ろ側の部分には、外側膝状体がある。視神経の線維は、外側膝状体に入り込んでいる。

 

外側膝状体からは、さらに神経の線維が出ている。その線維は、内包の後端部を通って視放線を構成する。そして、第一次視覚野という視覚の中枢に到達する。

 

・高次視覚野(視覚前野)
第一次視覚野の隣りの皮質には、高次視覚野(視覚前野)という第二次の視覚の中枢が存在する。高次視覚野は、実際に目で見たものの理解を担当している。

 

高次視覚野に障害を負った場合、目で物体などを見ただけでは、その物体の意味などを理解できなくなる視覚失認が引き起こされる。

 

 聴覚野
側頭葉の上の部分には、聴覚野が存在する。

 

・第一次聴覚野
蝸牛神経から送られた刺激は、橋、中脳、視床の後部、内胞の後端部、聴放線を通行する。そして、側頭葉にある第一次聴覚野という聴覚中枢に到達する。

 

・第二次聴覚野
第一次聴覚野の外側には、聞いた音を理解する第二次聴覚野という第二次の中枢が存在する。

 

優位半球が障害を負った場合、音声を理解できなくなる純粋語聾(じゅんすいごろう)が引き起こされる場合がある。純粋語聾では、紙に書かれたことは理解できるが、人が話している内容が理解できない。

 

劣位半球が障害を負った場合、音楽の認識ができなくなる失音楽が引き起こされる場合がある。

 

 嗅覚野
側頭葉の内側の部分に、嗅覚野が存在する。嗅覚野は、新皮質ではなく古皮質(辺縁皮質、辺縁葉)に含まれるものである。

 

 味覚野
感覚野の一番下側の部分には、味覚野が存在する。

 

 言語中枢
言語中枢には、運動性言語中枢(ブローカ野)と感覚性言語中枢(ウェルニッケ野)の2種類が存在する。

 

・運動性言語中枢(ブローカ野)
前頭葉の後の下側の部分に、運動性言語中枢(ブローカ野)が存在する。この中枢の近くには、頭部を担当する運動野がある。また、ほとんどの人が、脳の左半球に運動性言語中枢をもっている。

 

運動性言語中枢は、言葉を話すときに使う筋の支配を行い、発語を行わせる中枢となっている。運動性言語中枢が障害を負った場合、言葉を話せなくなる運動性失語が引き起こされる。

 

・感覚性言語中枢(ウェルニッケ野)
聴覚野に近い場所に、感覚性言語中枢(ウェルニッケ野)が存在する。感覚性言語中枢が障害を負った場合、言葉を理解できなくなる感覚性失語が引き起こされる。

 

感覚性失語の場合、話をすることはできるが、相手からの言葉の内容を理解できない。そのため、会話が成り立たなくなってしまう。

 

 連合野
前頭葉のうち、とくに発達がみられるのが連合野の中枢である。この部分の発達は、成人になるまで続く。連合野が担当するのは、思考、知性、意思、記憶、意識などの高度な精神活動である。