小腸の運動・分泌機能 − 健康と医療の情報局

 

小腸の運動・分泌機能

 

小腸
小腸は管になっている臓器であり、胃の幽門部から続いている。小腸の領域は3つに分類され、胃に近いものから順に、十二指腸空腸回腸という。

 

 

小腸の運動
小腸は、蠕動運動(ぜんどううんどう)、分節運動振子運動の3種類の運動を行う。

 

・蠕動運動(ぜんどううんどう)
小腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)は、輪状筋が主に収縮を起こし、くびれ(収縮輪)をつくる。そのくびれが、胃の方から大腸の方へと進む形で行われる運動である。小腸の蠕動運動によって、小腸に入ったものを大腸の方に運ぶ。

 

・分節運動
小腸の分節運動は、輪状筋の収縮と弛緩によって、くびれたところとふくらんだところを交互につくる。

 

そして、時間によってふくらんでいたところがくびれて、くびれていたところがふくらむ、といった形で交互にくり返される運動である。また、小腸のどの部分でも、小腸の分節運動が行われる。

 

小腸の分節運動によって、食べ物がおかゆ状に細かくなったものである糜粥(びじゅく)と消化液とがしっかり混ざる。そのため、消化を十分に行うことができる。またこのとき、消化されたものの吸収が行われる。

 

・振子運動
小腸の振子運動は、縦走筋の収縮によって行われるものである。この運動は、くびれた部分がふくらみ、ふくらんだ部分がまたくびれるという形でくり返される。

 

 小腸の内容物の輸送
小腸の中に入っているもの(小腸の内容物)が運ばれる早さは、十二指腸や空腸では早めだが、回腸では遅い。

 

回腸と盲腸との境い目には、回盲弁という弁がある。回盲弁はたまに開いて、大腸の1部である上行結腸の中へと内容物を送る。また、回盲弁は以下のような場合にも開く

 

 ・食事をしたときに、胃で反射がおきたときに、回盲弁が開く(胃回腸反射)。

 

 ・回腸の終末部分が蠕動運動を行ったときに、回盲弁が開く。

 

小腸が内容物を運ぶのは、蠕動運動が中心となっている。そして、小腸が内容物を混ぜ合わせるのは、分節運動が中心となっている。また、食事で最初に摂ったものは、食後4時間ほどで回腸の終末部分まで進む。

 

 小腸の神経支配
小腸の運動は、外側から支配を行う神経である外来神経のうち、交感神経によって抑えられ、副交感神経(迷走神経)によって促される。

 

また、小腸の運動は、小腸の内側にある内在神経によって調節されている。これにより、たとえ小腸の外来神経が切り離されても、小腸の運動が起こる。

 

 

小腸の分泌機能
小腸粘膜からは、腸液が分泌される。腸液は、弱アルカリ性である。1日あたり1.500〜3.000ミリリットルの腸液が分泌される。

 

小腸に存在する分泌を行う細胞(分泌細胞)には、腸腺(腸陰窩、リーベルキューン腺)と十二指腸腺(ブルンネル腺)がある。

 

腸腺で分泌されるのは、さまざまな消化酵素をもつ腸液である。

 

一方、十二指腸腺で分泌されるのは、炭酸水素ナトリウムを主な成分としている粘液である。その粘液によって、小腸の内容物を中和し、粘膜の保護を行う。

 

・腸液の消化酵素
腸液に含まれている主な消化酵素を以下に示す

 

 ・マルターゼ : マルトースをグルコースに変える

 

 ・ラクターゼ : ラクトースをグルコースとガラクトースに分解する

 

 ・スクラーゼ : スクロースをグルコースとフルクトースに分解する

 

 ・ペプチダーゼ : ペプチド結合を分解する