体液の概要・構成・pH − 健康と医療の情報局

 

体液の概要・構成・pH

 

体液
細胞の内と外には、体液が存在する。体液は生体活動において重要な役割をもつ。

 

 体液の分類
体液のうち、細胞の外側にあるものを細胞外液といい、細胞の内側にあるものを細胞内液という。細胞外液には、リンパ血漿などの管内細胞外液と、組織の間にある間質液(組織液)とがあてはまる。

 

これらの体液によって、生体内の物質が運ばれる。

 

 体液の出し入れ
人が水を補給する際は、基本的には口から摂取する。摂取した水は、食道を順に通過してに入る。

 

腸に入った水は腸壁で吸収され、血液の血漿に含まれる。血漿に含まれた水は、体中を巡るが、その間に水のうちの一部が、毛細血管から組織間に入り込んで間質液となる。

 

そこから一部の間質液は、細胞の中に入り込み、細胞内液へと変化する。間質液のもう一部は、毛細血管に戻って血液に混じる。そのうちの一部は、汗、尿、便などと一緒に体の外へと排出される。

 

 体内での水
体に入る水は、食物に含まれている水分、飲んだ水、食物の燃焼によって得られた燃焼水(代謝水)をそれぞれ足したものとなる。

 

一方、体から出ていく水としては、皮膚や肺から出る水蒸気(不感蒸散)、汗、尿、便に混じった水分があげられる。

 

体に入る水と体から出ていく水の量が等しければ、体の水分量を一定の量に維持できる。体内に入る水の量と体内から出る水の量の違いが大きい場合、それによって体液の量に変化がおこる。

 

発汗や嘔吐などで体内の水分が減った場合、水分補給を行わないでいると、生命に危険がおよぶ脱水を引き起こすことになる。

 

 体液の構成

 

・体液に含まれる電解質と非電解質
体液は、さまざまな物質によって構成されている。体液には、電解質非電解質とが含まれている。電解質とは、溶液の中でイオンに変化し、電気的な性質を発揮するものをいう。

 

一方、非電解質とは、溶液の中であってもイオンに変化しないものをいう。

 

電解質にあてはまる物質には、K+(カリウムイオン)、Na+(ナトリウムイオン)、Mg2+(マグネシウムイオン)、Ca2+(カルシウムイオン)、Cl-(塩素イオン)、HCO3-(炭酸水素イオン)、SO42-(硫酸イオン)、HPO42-(リン酸イオン)、有機酸イオン、タンパクイオンがあげられる。

 

非電解質にあてはまる物質には、尿素やクレアチンなどのタンパク質の分解によってつくられる物質グルコースがあげられる。

 

・電解質がもつ働き
電解質は主に次のような働きをする。

 

 ・酸性やアルカリ性に体液がかたよらないようにバランスを維持する(酸塩基平衡の維持)。

 

 ・体の中の水を調節することで、体液の量を調節する。

 

 ・筋や神経が正しく活動できるように維持する。

 

 ・細胞の内側と外側の浸透圧のバランスを正常に維持する。

 

 細胞内液、細胞外液
水は細胞膜を自由に出入りできるが、電解質は細胞膜の出入りが自由ではない。また、細胞外液と細胞内液とでは、互いの構成に違いがある。

 

細胞内液では、HPO42-(リン酸イオン)が細胞内液に存在する陰イオンのほとんどを占めている。

 

細胞内液には、Cl-(塩素イオン)はほとんど存在しない。細胞外液では、Cl-(塩素イオン)が細胞外液に存在する陰イオンのほとんどを占めている。

 

細胞内液には、陽イオンであるK+(カリウムイオン)が多く含まれている。細胞外液には、K+(カリウムイオン)はほとんどない。

 

細胞内に存在するK+(カリウムイオン)であれば安全だが、外液でのK+(カリウムイオン)の濃度が上がることは、生命に危険がおよぶ。

 

 細胞外液と海水
細胞外液と海水とでは、互いの構成に似ている部分が多い。

 

細胞外液と海水は、どちらも、陽イオンである電解質が、Na+(ナトリウムイオン)、Mg2+(マグネシウムイオン)、K+(カリウムイオン)、Ca2+(カルシウムイオン)、の4つとなっている。

 

そして、陽イオンのほとんどを占めているのが、どちらもNa+(ナトリウムイオン)となっている。

 

陰イオンの場合は、細胞外液の海水の両方がHCO3-(炭酸水素イオン)を含んでいる。さらに、どちらもCl-(塩素イオン)が陰イオンの電解質のほとんどを占めている。

 

細胞外液と海水とでは、全体のイオン濃度の違いが大きい。細胞外液よりも海水の方が、倍以上濃い濃度をもつ。

 

 細胞外液のなかでの比較
細胞外液のなかで比較を行った場合、間質液と血漿の構成が近い。その一方で、血漿の方が間質液よりもタンパク質の濃度が高いことが、両者の違いの1つとしてあげられる。

 

この違いは、毛細血管の構造によって起きている。毛細血管では、電解質は簡単に通過できるが、大きな分子をもつタンパク質は、通過できないことが多いのである。

 

体液のpH
水素イオン濃度(pH)や温度などが一定の状態でなければ、生体で化学反応を起こすことができない。そのため、生命活動を維持するためには、体液のpHを一定の値に維持することも重要なことの1つである。

 

温度が22℃のときにpHが7.0であれば中性であることを示す。pHの値が7.0以上の場合ではアルカリ性となる(水素イオン濃度の低下)。

 

体液に含まれる電解質の構成が変わるのに合わせて、そのpHに変化がおこる。動脈血の血漿における正常なpHの値は7.35〜7.45であり、アルカリ性に少しかたむいている。

 

pHが6.8未満の場合をアシドーシス、pHが7.8を上回るとアルカローシスとなる。どちらも生命にとって危険な状態である。

 

・pHの調節
体液のpHは、生体内における以下の3つの働きによって、正常な状態に維持される。

 

 ・肺性調節
炭酸(H2CO3)が血漿中に過剰に存在する場合、炭酸は水と二酸化炭素とに分解される。そのうち二酸化炭素は、肺胞から外へと排出される。血漿に含まれる炭酸の濃度は、呼吸の機能によって変わる。

 

 ・腎性調節
腎臓には、血液におけるpHの値を一定の値に維持できるようにに、余分なナトリウムイオン、塩素イオン、水素イオン、炭酸水素イオンなどを尿に混ぜて排出させる。

 

 ・血漿における緩衝作用
血漿に含まれるタンパク質、ヘモグロビン、炭酸などは、体の内外から流れる多すぎたアルカリや酸と結びついて中和する働き(緩衝作用)をもつ。