ダイエット中に缶コーヒーを飲む場合の注意点
社会人の方のなかには、缶コーヒーを好んで飲む方もいるかもしれません。あるいは、朝の出勤時に缶コーヒーを買って飲み、仕事の休憩時間にまた缶コーヒーを飲むといった形で、何本も缶コーヒーを飲む方もいらっしゃるでしょう。
しかし、缶コーヒーを飲んだのに、しばらくするとなぜか頭がぼーっとしてしまったことがあるかもしれません。それは、缶コーヒー(砂糖不使用や無糖のもの以外)に大量に含まれる砂糖が原因になっている可能性があります。
また、ダイエット中の方がたくさんの糖質が入っている缶コーヒーを飲み続けていると、ダイエットの成功から遠ざかってしまう恐れがあります。そこで今回は、ダイエット中に缶コーヒーを飲む場合の注意点について解説していきます。
缶コーヒーに含まれる成分
コーヒーには、カフェインという成分が含まれています。カフェインは、交感神経に刺激を与える覚醒(かくせい)作用をもっています。
そのため、コーヒーを飲むことにより、頭がすっきりとして集中力が高まったり、眠気を覚ましたりすることが期待できます。しかし、砂糖を多く含む缶コーヒーを飲んだ場合には、コーヒーの覚醒作用は不十分であり、一瞬で効果がなくなってしまいます。
これには、缶コーヒーに大量に含まれる砂糖が関係しています。
砂糖は、糖質のなかでも体にとって吸収しやすいものです。そのため、砂糖がたくさん入った飲み物を摂ると、その飲み物に含まれる砂糖が一気に体に吸収されます。そして、血糖値が急激に上昇してしまうのです。
上記のように血糖値が素早く上昇してしまった場合、血糖値を下げるために、膵臓(すいぞう)からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは、血糖値を下げることができる唯一のホルモンです。
インスリンの血糖降下作用によって、急激に上がった血糖値は一気に下がります。しかし今度は、必要以上に血糖値が下がり過ぎてしまうのです。
また、血糖値が下がったときには、脳のエネルギー源の1つであるブドウ糖が、脳に十分に補給されないのです。そのため、大量の砂糖を含む缶コーヒーを飲むことで、一瞬だけ目が覚めたとしても、そのあとに眠気が訪れてしまうのです。
そして、大量の砂糖を含んだ缶コーヒーを飲んでしばらくしてから眠気を感じ、その眠気を抑えようとして、再び、大量の砂糖を含む缶コーヒーを飲む、といったことをくり返すのは、ぜひとも避けてください。
大量の砂糖を含む缶コーヒーをくり返し飲んでしまうと、やがて、砂糖を摂っても血糖値が上昇しないといった状態が起こります。この状態を「無反応性低血糖症」といいます。
無反応性低血糖症の状態では、つねに集中力が維持できず、眠気におそわれているような感覚におちいってしまいます。
もし、缶コーヒーを飲んで眠気覚ましをしたい場合には、缶コーヒーのなかでも砂糖が入っていないもの(ブラックコーヒーなど)を飲むことをおすすめします。
そして、砂糖を多く含んだ缶コーヒーを飲んでも、結果的には眠気覚ましにはならないことを、ぜひとも覚えておいてください。
ダイエット中の缶コーヒーの選び方
ダイエットをしている場合に缶コーヒーを飲むときにも、砂糖を含んでいるものを飲むのは良くありません。
砂糖が含まれているものを飲むと、それによって血液中の糖質の量が増えるため、血糖値(血液中の糖質の値)が上昇します。すると、すい臓からインスリンというホルモン(化学物質)が分泌されます。そして、体内に入った糖質の分だけインスリンが大量に追加分泌されます。
インスリンには、血液中の糖質を脂肪に変えることで血糖値を抑える働きがあります。つまり、大量の糖質が体内に入ってくると、その糖質がインスリンの作用で脂肪として蓄えられてしまうのです。
このことから、ダイエット中の方が缶コーヒーを飲む場合には、なるべく糖質が含まれていないものを飲むようにしましょう。
さらにいうと、缶コーヒーに限らず、砂糖を大量に含むものを摂る習慣をもっている場合、体はどんどん太る方向に向かってしまいます。そのため、砂糖を含む飲み物を飲むのは、なるべく控えることが望ましいといえます。