糖質制限によるケトン体のにおいは、一時的なものである

糖質制限ダイエットを始めた場合、吐く息などから独特のやや甘酸っぱいようなにおいを感じることがあります。このにおいは、ケトン体によって一時的に出るものです。

 

糖質制限ダイエットでは、糖質を摂る量を極力減らし、タンパク質と脂質を中心とする食生活になります。このような食生活を送り始めた場合、血液に含まれるケトン体の量が増加します。

 

ケトン体は、やや甘酸っぱいような独特のにおいを放ちます。そして、体内のケトン体のうち利用されなかったものは、吐く息や尿に混じって体の外に送り出されます。

 

つまり、体内で使われなかったケトン体が、吐く息や尿に混じって体の外に排出された時、ケトン体がもつにおいを感じることがあるのです。また、ケトン体のにおいは、吐く息から感じられることが多く、尿から感じられることは少なめです。

 

ケトン体のにおいは、一時的なものである

冒頭でも触れましたが、糖質制限ダイエットによって出るケトン体のにおいは一時的なものであり、やがてにおわなくなります。そのため、「においがずっと残るのでは」と心配する必要はありません。

 

糖質制限ダイエットを始めたばかりの頃では、脂質をエネルギーとして用いる仕組みは、それほどうまくは機能できません。これにより、ケトン体の濃度が高い状態になります。

 

すると、吐く息や尿に含まれるケトン体の濃度も高い状態になります。そして、吐く息や尿に混じって高い濃度のケトン体が排出されることで、ケトン体のにおいを感じるわけです。

 

糖質制限ダイエットを続けていくと、脂質をエネルギーとして用いる仕組みが機能できるようになっていきます。それに合わせて、ケトン体の濃度が徐々に低下していきます。

 

脂質をエネルギーとして用いる仕組みが十分に機能できるようになる頃には、糖質制限ダイエットを始めたばかりの頃に比べて、ケトン体の濃度がかなり下がっています。

 

そのため、吐く息や尿からケトン体に含まれる濃度も薄くなり、ケトン体のにおいを感じることはなくなります。

 

ケトン体の濃度について

糖質制限ダイエットによって起こるケトン体の濃度の上昇は、決して病気ではなく、正常な生理現象にあてはまります。そのため、糖質制限ダイエットでケトン体の濃度が上がった場合であれば、心配する必要はありません。

 

糖質制限ダイエットを始めたばかりの頃は、体はケトン体をうまく使うことができません。それにより、体内のケトン体の濃度が高い状態になり、大量に体の外にケトン体が排出されてしまうのです。

 

ケトン体の濃度は、糖質制限ダイエットを続けていくうちに下がっていきます。そのため、ケトン体の濃度の値が高かったとしても、心配しなくて大丈夫です。

 

糖質制限時のケトン体濃度の上昇は安全である

糖質制限ダイエットの他に、糖尿病が悪化した場合にも、ケトン体の濃度が高まることがあります。糖尿病の悪化によるケトン体の濃度の上昇は、糖質制限ダイエットによるものとは異なり、体にとって非常に危険な状態です。

 

この場合のケトン体の濃度の上昇は、インスリンの働きが足りないことによって引き起こされるものです。その一方で、糖質制限ダイエットの初期にケトン体の濃度が上昇する場合には、インスリンの働きは正常な状態です。

 

以上のように、糖尿病でのケトン体の濃度の上昇は危険であるものの、糖質制限ダイエットでのケトン体の濃度の上昇は正常な生理現象であることを、ぜひとも覚えておいていただければと思います。