カボチャの栄養価・選ぶポイント・調理法

カボチャの栄養価、カボチャを選ぶ際に注目すべきポイント、カボチャに有効な調理法についてそれぞれ述べていきます。

 

 カボチャの栄養価
カボチャ(生のまま)に含まれている主な栄養素として、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、食物繊維などがあげられます。

 

 ・β-カロテン
カボチャには、β-カロテンが多く含まれています。β-カロテンは、抗酸化作用をもっています。そのため、がんを予防する効果や、血管の老化を抑える効果があります。

 

β-カロテンには、胃や腸などの消化器や気道などにある粘膜を正しい状態に維持する作用があります。この作用によって、消化器や粘膜の抵抗力が強められます。そのため、ウイルスなどによる感染症の予防に効果があります。

 

カボチャにまつわる言葉として、「冬至(とうじ)にカボチャを食べると風邪をひかない」というものがあります。この言葉のように、カボチャに含まれるβ-カロテンは、風邪などの感染症を予防するのに有効です。

 

ですが、風邪などの感染症を予防するためには、カボチャだけを食べるのではなく、規則正しい生活習慣にしたうえで、カボチャを適度に食事に取り入れるのがいいでしょう。

 

また、β-カロテンが体のなかで吸収された場合、そのβ-カロテンはビタミンAに変わります。

 

ビタミンAがもつ作用には、視力の低下を防ぐ作用や、目の疲れを取る作用があげられます。そのため、β-カロテンを含むカボチャを十分に摂ることは、視力の低下や目の疲れの改善に有効といえるでしょう。

 

 ・ビタミンC
ビタミンCは、カボチャに豊富に含まれています。ビタミンCには、抗酸化作用があります。

 

ビタミンCは、肌をきれいにするのに有効です。さらに、がんを予防する効果や、血管の老化を抑える効果もあります。

 

 ・ビタミンE
カボチャに含まれるビタミンEの量は、数ある野菜のうちの上位に匹敵するほど多くなっています。ビタミンEには、抗酸化作用があります。そのため、血管の老化を予防したり、がんを予防したりする効果があります。

 

さらにビタミンEには、血管を拡張させ、血液の流れを促す作用があります。この作用は、血液の流れが悪い場合に起こる冷え性や体の痛みなどを取り除くことに有効です。

 

 ・カリウム
カボチャには、カリウムが含まれています。カリウムには、体の中に過剰に存在するナトリウムを体の外に排出させる作用があります。この作用は、高血圧を予防することに有効です。

 

 ・食物繊維
カボチャには、食物繊維が含まれています。食物繊維には、ブドウ糖の吸収を妨げる作用があります。この作用により、食後に血糖値が上がるのを抑えることができます。

 

 カボチャを選ぶポイント
カボチャを選ぶ場合、以下のポイントに注目してみてください。

 

 ○カボチャの全体的な特徴
 ・皮が濃い緑色をしているもの
 ・硬く引き締まっているもの
 ・しっかりと重みがあるもの

 

 ○カボチャの切り口の特徴
 ・果肉に空洞が見当たらないもの
 ・濃い黄色の果肉をもつもの
 ・果肉にたくさんの種が付いているもの
 ・果肉についている種が膨らんでいるもの
 ・果肉に厚みがあるもの

 

 ○カボチャのヘタの特徴
 ・カボチャのヘタが乾燥して枯れているもので、ヘタが縦に裂けたものは完熟している(春・秋・冬の場合)

 

 カボチャの調理法
カボチャには、β-カロテンやビタミンEが豊富に含まれています。β-カロテンとビタミンEは、脂溶性ビタミンにあてはまる栄養素です。

 

脂溶性ビタミンを吸収するためには、脂質が必要となっています。そのため、カボチャに油分を含んだドレッシングを付けて食べたり、カボチャを油で炒めてから食べることで、β-カロテンとビタミンEの吸収を良くすることができます。

 

ただし、ドレッシングをかけたり調理したりして食べる場合には、塩分の過剰摂取にならないように気を付けてください。

 

またカボチャの他に、さらにショウガなどの体を温かくする食材を摂り入れることによって、風邪を予防する効果を高めることができます。

 

カボチャには、日本カボチャと西洋カボチャといった種類があります。日本カボチャは、多めの水分を含んでおり、さらに粘性があります。西洋カボチャは、食感が柔らかく、強めの甘さがあります。

 

このように、カボチャの種類によって異なる特徴があります。こうした特徴を生かしつつ、料理にカボチャを用いるのもいいでしょう。