反射性調節、呼吸の調節異常、第1呼吸 − 健康と医療の情報局

 

反射性調節、呼吸の調節異常、第1呼吸

 

反射性調節
外呼吸・内呼吸、呼吸中枢、化学的調節」のページで解説した化学受容体以外にも、呼吸運動を調節する受容体として、肺受容体がある。

 

肺受容体
肺受容体には、肺伸展受容体刺激受容体が存在する。

 

・肺伸展受容体
気管支の平滑筋の中には、肺伸展受容体が存在する。

 

肺が伸び広げられた場合に、肺伸展受容体が興奮を起こす。その興奮は、迷走神経によって呼吸中枢に伝わることで、呼吸の調節が行われる。これをへーリング・ブロイエル反射という。

 

新生児にとっては、ヘーリング・ブロイエル反射が重要である。一方、成人になると、ヘーリング・ブロイエル反射が、さほど意味のないものになる。

 

・刺激受容体
気管や気管支がもつ上皮細胞の間には、刺激受容体が存在する。冷たい空気、埃(ほこり)、体に悪いガスなどで、刺激受容体が刺激を受ける。

 

この刺激も、迷走神経によって呼吸中枢に伝わり、呼吸の回数を増やしたり、気管支を収縮させて、咳(せき)を起こさせたりする。

 

 大脳皮質性呼吸支配
感情が高ぶると、大脳から呼吸中枢へと刺激が伝えられる。そして、換気が大きく増やされる。呼吸のリズムは、心配ごとがあったり驚いたりした場合でも乱される。

 

 運動と換気
換気は、運動によって増加する。運動の激しさと、換気量は比例する。激しい運動をする場合、その換気量は、安静時の換気量よりも多くなる。

 

場合によっては、激しい運動をした場合の換気量が、安静時の換気量の約15倍にもなる。

 

運動時では骨格筋が酸素を多く消費し、それと同じく二酸化炭素が多くつくられる。そして、肺では酸素の摂取量と二酸化炭素の排出量の2つが増える。

 

上記のため、安静時の換気量よりも、激しい運動をした場合の換気量の方が多くなる。

 

 

呼吸の調節異常とそれによる疾患

 

 過換気症候群
呼吸中枢が、不安や精神的なストレスなどで刺激され、過度に換気が起こるものを過換気症候群という。

 

過換気症候群が起こると、血液の中の二酸化炭素分圧が減る。そして、呼吸性アルカローシスが引き起こされる。さらに、手足がしびれたり、筋が収縮されたりする。

 

過換気症候群は、とくに若い女性に起こることが多い。

 

 睡眠時無呼吸症候群
10秒以上の無呼吸が、一晩の睡眠につき30回以上おこる疾患を、睡眠時無呼吸症候群という。睡眠時無呼吸症候群には、閉塞型無呼吸中枢型無呼吸とがある。

 

・閉塞型無呼吸
主な閉塞型無呼吸として、肥満時におこりやすいピックウィック症候群がある。

 

ピックウィック症候群では、過度の肥満によって眠っている間に上気道が塞がれる。それによって、無呼吸となる。この疾患では、日中の傾眠、周期性の呼吸変化、低酸素血症が引き起こされる。

 

 ※傾眠 … 何らかの刺激を受けていないと、急に眠ってしまう状態のことを傾眠という。

 

・中枢型無呼吸
呼吸中枢が何らかの原因で異常をおこし、無呼吸や低換気を引き起こす疾患を、中枢型無呼吸という。

 

 中枢性肺胞低換気症候群
呼吸筋や肺の異常がない場合に、中枢神経の疾患によって換気量が下がる疾患を、中枢性肺胞低換気症候群という。この疾患は、呼吸に関する異常が原因で起こる低換気症候群に含まれる。

 

中枢性肺胞低換気症候群の場合、睡眠中に無呼吸が起こるだけでなく、起きているときに肺胞低換気が起こる。

 

 

第1呼吸
胎児は、第3月あたりから不規則でわずかな呼吸運動を、長い周期で行う。胎児の肺の発達は、この呼吸運動によって促進される。

 

生まれたばかりの新生児が発するうぶ声は、第1呼吸が行われたことを示す。新生児は、このときに始めて空気を吸う。

 

母胎と新生児とを結ぶ臍帯(さいたい)が切断された場合、新生児の血液に含まれる二酸化炭素が増える。この二酸化炭素の増加が、呼吸中枢に働きかける。

 

新生児が助産婦の操作を受けることや、新生児の皮膚に外の空気が触れることにより、それらが、新生児の皮膚から送られる刺激となる。それにより、新生児の呼吸が始まる。